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JETRO・JBA 共催セミナー

「米国のセキュリティ規制と米国税関の対応」開催
米国のセキュリティ規制と米国税関の対応

昨年11 月30 日、ホリデーイン・トーランスにて、JETRO とJBA の共 催で「米国のセキュリティ規制と米国税関の対応」と題するセミナーが 開催された。当日のロサンゼルス地域の港湾・空港を管轄する米国税関 のセキュリティーの最高責任者であるケビン・ウィークス氏の講演の概 要をお伝えする。

CBPの活動とその戦略

CBP(米国の税関国境保護局)は、 主要な任務であるテロ撲滅だけで なく、従来の任務である多種多様 な非合法な活動に対しての闘いを 展開しています。昨年度、CBP は、 17 万件の不法入国、約82 万ポンド の不法薬物、500 万件の農作物、約 2 億ドルの模造品、それ以外に米国 民の健康に脅威を与える製品の輸 入を阻止しました。CBP には取り 締まりの責任が課せられています が、同時に合法的な旅行および貿 易の流れを促進するためのシステ ム・工程を構築する責任も課せら れています。この両者は、極めて 微妙なバランスの上に成り立つも のです。

米国の326 の貿易港を通過して 入って来る貿易量が増大する中で、 CBP は大きな課題に直面していま す。貿易統計を見ると、米国の貿 易港を通過して入って来る貨物の 輸入量は、過去10 年間で2 倍に なっています。専門家たちによる と、今後10 年間で貿易量がさらに 2 倍に増加するとされています。ロ サンゼルス地域のみに限っても、 2007 年度は約320 万の貨物のリリ ースがあり、徴収された税・手数 料は82 億ドルに達します。

CBP の業務の管理は、対象が 人、貨物、運送会社であっても、 リスク管理と多層的な取り締まり 戦略を通して実施しています。私 共の採用している戦略は、ATS (Automated Targeting System)、 分析、技術、さまざまなパートナ ーシップ・プログラムによって構 成されています。パートナーシッ プ・プログラムの例としては、コ ンテナ・セキュリティー・イニシ アチブ(CSI)、C-TPAT(Customs-Trade Partnership Against Terrorism)、セキュア・フレイト・ イニシアチブ(SFI)があります。

10+2ルールによる事前の貨物情報の提出

CBP は、貿易量の増大に対応す るために貿易港における処理能力 を高め、そしてパートナーシップ・ プログラムを改善するために、早 急に近代化のための計画を実施し なければならないことを認識して います。CBP の近代化戦略の土 台となっているものは情報です。 2002 年通商法(Trade Act)にお いては、貨物の積荷目録の報告の 提出期限を変更しましたが、報告 の内容に関する変更は行われてい ません。船積み地において、物流 に関わる多種多様な当事者に関す る情報が不足しています。

10 +2と呼ばれるセキュリティ ー・ファイリング(貨物に関する情 報の提出)は、この情報不足を埋 めるためのもので、CBP は引き続 きこの実施に取り組みます。セキ ュリティー・ファイリングは、現 在外国の港で貨物を船積みする際、 CBP に対して24 時間前に提出され ていない10 のデータ項目が対象に なります。この項目に加えて、さ らに2 つのデータ項目が船会社に よって提出されることになります。 06 年港湾安全法(Safe Port Act) により、CBP は広範な協議を貿易 業界と行うことでセキュリティー・ ファイリングを検討し、さらに新 たに要求されるデータ項目がCBP にとって必要最小限であることを 確保することが義務付けられまし た。セキュリティー・ファイリン グの規則案については、現在策定 されており、間もなく官報(Federal Register)に掲載されます。

CBP は、ACE(Automated Commercial Environment) の技 術を通じて、現在全米の陸続きの 国境におけるトラックの積荷目録 のデータ処理を行っており、引き 続きACE の技術を導入していき ます。最終的には、CBP はACE にて既存のすべての貿易処理シス テムを統合し、ACE に置き換えて いきます。ACE は、官民のパー トナーシップの極めて優れた成功 例です。貿易業界の多くの皆様方 が、貴重な時間と専門知識を提供 しCBP の職員と協力することで、 将来のCBP の貿易データ処理シス テムが、CBP のみならずトレード・ パートナーにとっても効率的で有 用なものであることを確保するこ ととなるのです。

100%検査に向けてパイロット・プロジェクト実施

もう1つお話したいプログラム は、セキュア・フレイト・イニシ アチブ(SFI)という今までにない プログラムです。これは、コンテ ナに関するデータをサプライチェ ーンの中を通過する過程で収集す る米国政府の能力を高めることに よって、既存のセキュリティーの 枠組みを土台として、その上に構 築されたものです。SFI の第1 段 階は、国土安全保障省の長官によ って06 年12 月7 日に発表されま した。SFI は、国土安全保障省及 びエネルギー省に主導されたもの で、海運業界、外国政府のパート ナーの協力に立脚して実施されて います。

SFI は、放射性物質・核物質が 入っている可能性のある海洋コン テナをスキャンする能力を提供す るもので、その結果、より包括的 なリスクの評価というものが可能 になりました。SFI は、運送業者 に対して、運送している貨物の安 全と、船主、ターミナルオペレー ターにとっても通常の物流を中断 することなく、貨物が安全である という安心感を与えます。

9・11 勧告法案が、07 年8 月に 議会によって可決された結果、港 湾安全法のアプローチが修正され、 12 年までに米国向けの積荷の100% のスキャンが義務化されることと なりました。CBP は米国に入って くる船積み貨物を100% スキャンす ることの実現可能性について、パ イロット・プロジェクトを実施し ています。同プロジェクトは、06 年港湾安全法によって義務付けら れたものであり、現在、パキスタン、 ホンジュラス、英国において実施 されています。CBP は、さらに今 後数カ月の間に、シンガポール、 香港、サラーラ(オマーン)、釜山 の新たに4 つの港をパイロット・ プロジェクトに加える予定です。

非開被検査技術の活用による効率的な検査

CBP は、現在大型のポータブル の非接触性の非開被の検査技術を 活用しています。非接触型検査装 置(NII)の技術は、商業的な輸入 を効率良く検査すると同時に、合 法的な貿易の流れの促進を可能な らしめるものです。CBP は、NII の技術を使うことで、タイムリー で、しかも貨物を止めて開けるコ ストを避け、開被することなくコ ンテナの中身が見られます。NII の 技術採用の目的は、貨物を開ける 時間やコストが掛からないようコ ンテナを開けずに中身を見ること を可能にすることです。

CBP は全米で192 の大型画像機 器を採用しています。同機器によ って、迅速な検査が可能となり、 その結果、コンテナを荷揚げし、 中身を検査する必要性が削減され ました。現在米国の海港にでは、 コンテナの96%がNII の技術の放 射線検査装置によってスクリーニ ングされており、ロングビーチ港 では、06 年12 月時点で既に100% の放射性検査の実施が達成されま した。入国管理税関法執行局(ICE) とのパートナーシップは、セキュ リティーと貿易促進の責任を達成 するために不可欠です。

07 年の早い時期にペットフー ドに含まれていたメラミンの問 題により、国民の間に輸入品の 安全性に関する懸念が高まりまし た。CBP は、政府内の省庁や民間 セクターのパートナーと協力し、 「Action Plan for Import Safety」 の策定に参加しました。この重要 なプランは07 年11 月に公布され、 米国民がグローバルな経済から得 られる利益を享受し、同時に輸入 製品の安全性を改善する上でのロ ードマップとなるものです。これ を通して、CBP は輸入業界、州そ して地方自治体の政府とパートナ ーシップを組み、外国の生産者・ 輸入者、政府と協力して、豊かで 安全な市場の恩恵を受けられるよ うにします。

農務省(USDA)とCBP のパー トナーシップは、輸入の安全性に 不可欠で、農産品の輸入に対する 脅威を阻止し、さらに米国の農産 物業界自体に対する脅威を防ぐた めに協力しています。

リスクをベースにしたCBP の戦 略は、CBP の目標を同時に達成す る上で不可欠です。このようなリ スクベースの戦略を通して、合法 的な貿易が国境を越えて促進され ると同時に、低リスクであると確 認できた船荷に関しては、迅速に リリースすることが可能となりま す。CBP において、国家のセキュ リティーと貿易の流れを促進する という2つの任務を達成する上で、 貿易業界の皆様方とのパートナー シップは極めて重要な要素です。 国際的な貿易業界と確立できたパ ートナーシップを通して、CBP は 引き続きセキュリティーと貿易促 進という目標を達成するために、 前進することができるのです。

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