JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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2013/9/26

教育文化部会 2013年度USEJプログラム報告会

2013年度USEJプログラム参加者と、JBAメンバーら報告会出席者

去る8月17日、トーランスのミヤコハイブリッドホテルにて、JBAの教育支援プログラム「U.S. Educators to Japan(USEJ)」の報告会が開催された。当日は、同プログラムを通じて日本に派遣されたアメリカ人教育者7人が参加し、多くの学びを得た日本での経験を詳細に報告した。

〈USEJプログラム日程〉6/23〜7/4

6/23(東京) 成田着
6/24(東京) オリエンテーションセミナー、都内視察
6/25(東京) 学校訪問:品川区立立会小学校(デモ授業)、千代田区立九段中等教育学校
6/26(東京) 鈴乃屋訪問(きもの着付け体験)、自由時間
6/27(東京→斑鳩/奈良)  各地域でのプログラム、
ホストファミリーと顔合わせ、ホームステイ
6/28(斑鳩/奈良)  奈良グループ:奈良女子大付属小学
校、斑鳩グループ:斑鳩町立東小学校、
ホームステイ
6/29(斑鳩/奈良→広島)  ホストファミリーと
自由行動、広島へ移動
6/30(広島) 原爆ドーム、広島平和記念資料館、宮島訪問
7/1(広島→京都)  カルビー広島工場見学、京都での
プログラム
7/2(京都) 京都でのプログラム、京都市内視察
7/3(京都) ラップアップ会議、自由時間、
フェアウェルディナー
7/4 離日

「おかえりなさい」と参加者に挨拶した渡辺教育文化部会長


今年38回目を迎えたUSEJプログラムは、日系企業の駐在員子女を受け入れている米国現地校への感謝の意味と、対日理解の促進を目的に、アメリカ人教育者を日本に派遣している。

報告会には、訪日の興奮がいまだ冷めやらぬ面持ちの、2013年度USEJプログラム参加者7名全員と、10年度参加者リーダーであったHickory Elementary Schoolのエドナ・シューマッハー校長先生、JBAから室井JBA会長、福島筆頭副会長、そして渡辺教育文化部会長を始めとする教育文化部会員が集まった。

冒頭では、渡辺部会長が挨拶。「おかえりなさい。JBAは70年代からUSEJプログラムを実施しており、JBAの活動の中でも非常に長いものの一つです。皆さんは日本での経験を、個人的なものから、どのようにプロフェッショナルなキャリアにおける経験へと深めていくか、すでにその方法を考えられていらっしゃると思います。生徒へ、コミュニティーへ、教育の現場と、今回の経験を還元されていく皆さんのその活動をJBAはサポートし、今後も皆さんと対話を続けていけたらと思います」と述べた。

リーダーのキャッスルベリー校長先生。「皆、忘れられない経験をしました」

続いて、本年度のプログラムリーダーであるLincoln Elementary Schoolのキャサリーン・キャッスルベリー校長先生が、訪日の機会を得たことに謝辞を述べると共に、「私たち参加者全員は、人生に一度あるかないかの素晴らしい時間を日本で過ごしました。その経験を報告できることに感謝します」と挨拶し、各参加者が順々に、日本でのそれぞれの学びを報告した。

最初に壇上に立った、Madrona Middle Schoolのロナルド・リチャードソン校長先生は、参加者の中で唯一訪日の経験があり、日本語も堪能。

「非常によく練られたプログラムで、日本の歴史と文化に対して非常に理解が深まりました。同時に、日本語は非常に難しい言語であり、外国語として英語を学ぶ生徒たちの苦労が身に染みて理解できました。私たちは今後いっそう、米国で学ぶ日本人の生徒たちと良い関係を築き、彼らの学校生活がより楽しいものとなり、また成功に導けるように努めていきたいと思いました」と報告。

同時にプログラムを通し、共に訪日した南カリフォルニアの教育者らのみならず、全米から参加した教員とも交流できたこと、また、ホームステイ先で花火など、心と心がつながるような経験により、日本文化への理解と愛着が深まったと述べた。

人間教育を目指す日本の教育システム

続く6人のプレゼンテーションで目立ったのは、アカデミックな教育だけでなく、人間教育を目指す包括的な日本の教育システムへの驚きであった。

日本の学校では、子供たちが彼らだけで、責任を持って、電車やバスを使って通学すること。生徒たちに対する罰としてではなく、教育の一環として掃除が行われていること。何より、生徒たちがそれに対して責任と誇りを持っていること。また学校給食においても、生徒たちが自ら配膳し、片付けていること。中でも、斑鳩町立東小学校では、生徒たちが米を育て、収穫し、昼食として食べることが、教育プログラムとして実施されていることなどが挙げられた。

加えて、習字、水泳、合唱や楽器演奏などの音楽の授業など、アカデミックな学習だけではなく、他者とコミュニティーに対する理解と敬意を促進するプログラムが組まれ、学校教育を通して、社会の構造を学ぶ機会があることを口々に指摘した。

「米国では、英語の習得、数学の習得など技術にフォーカスして教育を行います。日本の『人間』を育てる教育は私たちが米国に持ってこなければならないものの一つです」(キャッスルベリー校長先生)。

教育プログラム以外においても、参加者は東京、奈良、広島、京都でさまざまな日本文化に触れた。東京では着物の着付け体験、自由行動での築地訪問、広島では原爆ドームや平和記念資料館を訪れたほか、被爆者の話に耳を傾けた。報告では、各地でのお好み焼きや焼き鳥などの日本の食事、時間に正確な公共交通機関に対する感動も次々と語られた。

最後にキャッスルベリー校長先生は、日本から帰国した直後に、日本人子女の父兄と日本について会話をすることができ、これまでより深い関係を築いていけそうだと報告。また以前は、教科書を使ってしか教えることができなかったテーマについても、自らの経験を加えて語ることができることなど、今後さまざまに活かしていける訪日経験ができたことに改めて「アリガトウゴザイマス」とお礼を述べた。

こうして参加者全員の報告が終了。その後、別室に移動し、昼食会が行われた。4つのテーブルに分かれて、参加教育者とJBAメンバーが着席。各テーブルではくつろいだ雰囲気で、報告では触れ切れなかった日本での驚きや、プログラムの良かった点、改善点をざっくばらんに話し合った。

掃除、給食、通学など、生徒たちが自ら責任を持って行う姿に感銘を受けた

太鼓の練習や習字の授業にも参加した

日本では、ほぼすべての学校にプールがあり、水泳の授業が行われていることに驚き!

東大寺での法話聴講や、着物の着付け体験など、日本文化を存分に味わった

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