2015/4/25
4月25日(土)、JBAダウンタウン部会のイベントとして、マンザナール収容所跡慰霊祭バスツアーが開催されました。JBAとして第5回のイベントであり、朝7時出発、夜8時到着という厳しいスケジュールであるにもかかわらず、我々幹事を含む55名が参加、ほぼ満席状態でした。三宅会長ご夫妻もご参加いただき、ご挨拶の際の、「マンザナールはJBAメンバーとして必須科目」とのコメントに、参加者一同の気が引き締まったことが印象的でした。
当日の行程として、到着後に慰霊祭に出席し、その後は徒歩で復元されたバラックおよび資料館を見学しました。片道約5時間(休憩含む)の車中では、DVD「渡辺謙アメリカを行く(前後編)」(NHK)が上映され、日系人の歴史について学ぶことができました。
現地に到着してまず感じたのが「過酷」という言葉だけでは言い表せない、とても人が暮らせるとは思えない環境でした。目に見えるものは、北には残雪の残る山脈、南は岩肌むき出しの山々、それ以外は果てしない荒野ばかり。立っているだけでも厳しい強烈な風と砂塵、照りつく日差し、当日は比較的温暖でしたが、想像を絶すると思われる朝晩や夏冬の寒暖差。この環境下、板張りのバラックで約11000人の方々が約4年間も生活されたことに改めて感銘を受けました。資料館には、それでも力強く強く暮らしている笑顔の写真も多くありましたが、自分だったら同じようにできるか、と自問自答しながら見て回ったことを思い出します。
また車中のDVDを通じて、日系人は、この強制立ち退きと収容が人権の観点から過ちであったとアメリカ社会に認めさせ(1988)、この経験を基に2001年の9.11の際に、イスラム教徒やアラブ系に対する人種差別に断固反対したことを学びました。
慰霊祭には、日系人、日本人ばかりでなく、様々な方々が参加されていたことがとても印象的でした。学生のスピーチや和太鼓演奏などもありました。
私見として、この慰霊祭は、過去の辛苦な歴史を忍ぶ主旨のものであると思っておりましたが、それだけではなく、人権・平等の大切さを再確認し、未来を志向する国際社会の一員としてのものであると認識いたしました。
戦後70年、また安倍首相米議会演説、来羅という節目である今年、改めて先人の歴史を再認識し、それらを教訓・糧として、未来・希望に向かって進んで行かなければならないと強く感じた1日でした。LA1年生の私が、このような体験ができたことを誇りに思います。まだ参加されていない方は是非この「必須科目」を受講されることを、自信をもってお薦めします。
文:Kintetsu Enterprises Company of America 小林圭志