JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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2015/4/28

「Plug-in Hybrid EV自動車を中心とした 環境問題への対応」研修会報告

去る4月28日、サイプレスの北米三菱自動車にて、「Plug-in Hybrid EV自動車を中心とした環境問題への対応」研修会を開催した。昨今、環境問題の観点で注目されている電気自動車や燃料電池自動車など化石燃料以外で走る自動車について、北米三菱自動車が解説。また、南カリフォルニアを次世代輸送産業の中心にすべく活動するロサンゼルス郡経済開発公社の組織「e4 Mobility Alliance」で議長を務めるジェフ・ジョイナーさんが、同組織の活動内容を話した。

本研修会では、プラグインハイブリッド車や電気自動車を製造する北米三菱自動車を訪問し、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車、クリーンディーゼル車、電気自動車、燃料電池自動車など、さまざまな種類
の環境対応自動車について学んだ。座学での説明に加え、同社敷地内にある電気自動車の充電施設見学、さらに同社のプラグイン・ハイブリッド車「アウトランダーPHEV」の試乗会も行い、さまざまな角度から参加者の理解を促した。

北米三菱自動車の小橋社長

北米三菱自動車の小橋社長

まずはじめに登壇したのは北米三菱自動車の小橋隆次郎社長。「ガソリンなどのエネルギーを運びながら人や物も運ぶという自動車においては、いかにエネルギーを効率よく使うかが課題」と自動車という乗り物が抱える根本的な課題を示しつつ、「電気を運動エネルギーに変えて走る電気自動車は、エネルギー効率が非常に良く、環境問題の観点で優れている。ただ、バッテリーは現状では非常に重く、1 回の充電で走れる距離もまだガソリン車に及ばないので、そのあたりが今後の課題になっていく」と同社が力を入れる「i-MiEV」を含めた電気自動車の問題点にも触れた。

「e4 Mobility Alliance」による南加の次世代輸送産業活性化

ロサンゼルス郡経済開発公社ジョイナー議長

ロサンゼルス郡経済開発公社「e4 Mobility Alliance」のジョイナー議長

続いて話をしたのは、「e4 Mobility Alliance」(http://laedc.org/our-services/other-initiatives/e4-mobility-alliance/)のジェフ・ジョイナー議長。
「南カリフォルニアを次世代輸送産業の中心地とする」をミッションに、官民一体となって多岐に渡る活動を行う同組織の概要を説明した。同団体が注力する事柄は、電気自動車など環境対応自動車普及の推進はもちろん、カーシェアリングの推進、エネルギー貯蔵技術開発やガソリン以外の燃料の補給インフラ整備、廃棄物をエネルギー化する研究等の援助・推進など実にさまざま。これらを関係企業や研究施設などへの報奨金をはじめとする援助、新たに開発された技術を積極的に世の中に
PR するサポート、大学など教育施設における先進的な輸送システムに関する教育など、多種多様な手段によって進めていく考えであることを話した。また、最後には「既にホンダや日産自動車などの日本企業には我々が開く会議に参加いただいていますし、今後もより多くの日系企業と共に仕事がしたいと思っています。興味がある方はぜひ私にご連絡ください」と同組織への理解と参加を促した。

今後ますます厳しくなる南加における自動車の環境対応

北米三菱自動車商品企画部の岩崎さん

北米三菱自動車商品企画部の岩崎さん

次に、メインのプレゼンテーターとして北米三菱自動車商品企画部の岩崎邦彦さんが登壇。燃費改善や排気ガスのクリーン化、騒音、リサイクルといった自動車をとりまく問題点に加えて、アメリカにおける環境
規制や、各種環境対応自動車の特徴を説明した。環境規制の説明では燃費規制や排ガス規制などが年々厳しくなってきていることに加え、カリフォルニア州の規制で、自動車メーカーに対して州内における自動車販売台数のうち一定の割合は排気ガスがゼロもしくは非常に少ない自動車を販売する義務を課す「Zero Emission Vehicle」規制(通称ZEV 規制)について解説。
ポイントとして、2015 年現在は同州内で年間6 万台以上の自動車を売る大規模自動車メーカーの場合は、販売台数のうち3%を電気自動車など排気ガスがゼロの車としなければいけないところ、18 年式からは同州で販売するほぼ全ての自動車メーカーが、販売台数のうち4.5%を排気ガスゼロ車としなければならなくなる点、さらにこれが2025 年には22%まで順次引き上げられる点を挙げ、今後同州において自動車メーカーはしっかり対応していかなければいけないと話した。
環境対応自動車の特徴の説明においては、電気自動車やプラグインハイブリッド車に加え、トヨタやホンダが開発して話題の燃料電池自動車やマツダなどが力を入れているクリーンディーゼル車などについて、メリットや今後の課題などに言及した。
以上で座学が終わると、北米三菱自動車経営企画部の児島史典さんより、電気自動車の充電機についての説明が行われた。同社施設内に設置されている急速充電器や一般家庭用の充電器を例に出しながら、充電器の規格や充電時間、充電ステーションの普及状況などについて解説した。
最後は、同社のプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」のモニター車を使って試乗会が行われた。参加者は電気モーターとガソリンエンジンが組み合わさった独特の乗り心地を体感することで、プラグインハイブリッド車を肌で理解し、約3 時
間にわたる研修会を後にした。


プラグインハイブリッド車の充電方法を説明する児島さん

敷地内で行われた「アウトランダー PHEV」の試乗会

参加者の声

Wills Insurance Services of California, Inc.の安藤さん

「環境対応自動車について理解でき、非常に楽しい会でした。今後はプラグインハイブリッド車や電気自動車も乗ることを検討してみたいです」

Origin Electric Co., Ltd. の西村さん

「有意義でした。今後はエコカーに乗るかどうかではなく、電気自動車かプラグインか、と選ぶのが当たり前になっていきそうですね」

Mizuho Bank, Ltd.の齋藤さん

「プラグインハイブリッドという言葉だけ知っていて構造も分かっていなかったので、勉強になりました」

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