2014/8/2
2014年度USEJプログラム報告
2014年度USEJプログラム参加者と、JBAメンバーら報告会出席者
去る8月2日、トーランスのミヤコハイブリッドホテルにて、JBAの教育支援プログラム「U.S. Educators to Japan（USEJ）」の報告会を開催した。今年度日本に派遣されたアメリカ人教育者らが、同プログラムを通じて得た唯一無二の経験を詳細に報告した。
JBA Foundationチャリティーゴルフトーナメントの収益の一部を使い、毎年、実施しているUSEJ プログラムは今年で39回目。これは、日系企業の駐在員子女を受け入れている現地校への感謝の意味と、対日理解促進を目的に、アメリカ人教育者を日本に派遣しているもの。報告会には、2014年度の参加者、三宅JBA会長、福島筆頭副会長、そして山田教育文化部会長をはじめとする教育文化部会員が出席した。
まずは報告を行ったのは、今年度のリーダーでもあったPalos Verdes Peninsula High Schoolのミシェル・スラテリーさん。ミシェルさんが学びとして挙げたのは、日本の中学校で数学の授業を見学した際、日本語が分からないにもかかわらず、整然と記された板書から何を教えているのかが理解できた経験から、整理して体系だって教えていくことの重要性を実感したこと。また授業の開始の挨拶によって、日本の生徒はクラスに迎え入れると共に、それらの開始と終了の挨拶で、授業と休み時間の区別が明確になることも日本の学校システムの長所として指摘。「混沌としがちなアメリカのクラスにも導入したい」と語った。驚いたこととしては、日本では教室内で給食を食べること、 学校に携帯電話の持ち込み（一部では使用）が許可されていること、部活動を理由に授業を欠席することが許されることなどを挙げた。
プレゼンテーション後には、活発な質疑応答も行われた
プレゼンテーション後には、活発な質疑応答も行われた” width=”300″ height=”200″ class=”size-medium wp-image-11749″ /> プレゼンテーション後には、活発な質疑応答も行われた[/caption]米国と比べて、 児童だけでの通学や、掃除、給食の配膳・片付けなど、教科教育以外も含めた教育を行う日本の学校システムには、ミシェルさんに続く全員が驚きと尊敬の念を込めて言及。生徒が、学校やコミュニティーの中でそれぞれの役割を持ち、責任と達成感を感じながら、それらを実行していることに何度も賛嘆の声が聞かれた。
参加者は各地での小学校・中学校訪問の他、きもの着付け体験や京都、奈良、宮島訪問など日本の歴史や文化にも触れた。なかでも参加者に強い印象を残したのは、広島の原爆ドームと平和記念資料館訪問、被爆者の経験談を聞いたことだった。奈良で体験した日本の家庭でのホームステイも、日本の子どもたちが家庭でどのような生活を送り、どのように学んでいるかを実感する良い機会となった。
「日本での学びを今後活かしていきます」とミシェルさん
「日本での学びを今後活かしていきます」とミシェルさん[/caption]全員の発表の後、リーダーのミシェルさんが、「このUSEJでの経験を通して、教育者として大きく成長できたと実感しています。あんなに素晴らしい時間を過ごしたのは初めてです。ありがとうございます」と再び謝辞を述べた。そして、 山田教育文化部会長の「皆さんの発表から、私たちの気付かなかった、日本の教育、文化の側面を見ることができました。また、皆さんの教育者としての人生、個人の人生に有意義な時間となったことが理解できたことをうれしく思います」との挨拶で報告会は幕を閉じた。
