JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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2023/9/1

教育文化部会 「2023年度 USEJ プログラム報告会」

去る7月14日(金)、トーランスのMiyako Hybrid Hotel Torranceにて、「2023年度U.S. Educators to Japan(USEJ)プログラム報告会」の報告会を開催した。当日は同プログラムで訪日した5人のうち4人が出席し、JBA関係者を前に、日本での経験をプレゼンテーションと質疑応答形式で報告した。

USEJ参加者

出席者全員で記念写真。
 

5人の現地校教育者を日本へ

「U.S. Educators to Japan(USEJ)プログラム」は、日系企業の駐在員の子女を受け入れているアメリカの現地校への謝意を表すとともに、現地校の教育関係者を日本に派遣し、日本の環境、学校、文化などを実際に経験してもらい、その結果を帰国後の現地校での教育に生かしてもらうことを目的としたプログラム。1975年から実施されてきた同プログラムだが、コロナ禍により2019年を最後に休止していた。しかし、4年ぶりに再開した今年、5人の教育関係者が日本での6月中旬からの13日間の滞在を終えて、7月初旬に無事に戻ってきた。

 

「多くの教師が経験すべき」など絶賛の声

日本での経験を発表するために最初に登壇したSierra Vista Middle Schoolの教師、Dione McCreaさんは、日本滞在中の最も記憶に残った訪問地に広島を挙げた。「アメリカ人の1人として、その場にいることに非常に罪悪感を覚えました。私たちが原爆を投下したわけではないけれど、あの時、広島で何が起こったか、全ての生徒や教師、全てのアメリカ人に知ってほしいと思いました」。また、日本人への印象を聞かれたDioneさんは「日本人には文化に対する敬意が感じられました。学校を訪問した際に見た『起立、礼、着席』のような礼儀正しさ、教師を敬う姿勢には特に感銘を受けました。生徒が教室の掃除をする慣習もまた素晴らしかったです。掃除といえば公衆トイレの清潔さに驚嘆しました。街で出会った人々も非常に親切で、道に迷った私たちを一生懸命道案内してくれました」。

広島の印象を語るDione McCreaさん。

広島の印象を語るDione McCreaさん。
 

次にプレゼンテーションを行ったSolis Park K-8 Schoolの教師、Katiana Harveyさんは、日本での気付きについて次のように語った。「私が働くアーバインの学校には世界中から子どもたちが転入してきます。彼らの英語力には限りがあるのに、学ぶべきことは山積みです。いわば、彼らはニューカマー(新参者)です。私はこれまでニューカマーだった経験がありません。しかし、今回の日本滞在で、静岡の農家にホームステイした時に転入生のような経験をしました。つまり、ホストファミリーはほとんど英語を話さず、私は日本語が話せない。互いにコミュニケーションを図るためにGoogle翻訳はもちろん、手振り身振りを多用しました。また、ホストファミリーのおばあさんは玄関の段差に腰を下ろして靴を脱ぐという動作を自ら私に教えてくれました。これこそ、自分が転入生の子どもたちに対する姿勢だと気付かされました。『USEJプログラム』は多くの教師が経験すべきです。私は同僚に、来年のプログラムに申し込むべきだと勧めています」。

「静岡の農家でのホームステイ体験での収穫は大きかった」と振り返る、Katiana Harveyさん。

「静岡の農家でのホームステイ体験での収穫は大きかった」と振り返る、Katiana Harveyさん。
 

期待を超えていた「一生に一度の貴重な機会」

3人目のプレゼンターは、カトリックの私立校であるNotre Dame High Schoolの校長、Alice Cottiさん。Aliceさんは日本訪問の興奮を抑えられないように、日本の魅力について振り返った。「日本に行くまでの私の中の日本のイメージは、ロサンゼルスのダウンタウンにあるリトルトーキョーでした。ところが実際に行ってみた日本は、豊かな自然、歴史や伝統への敬意と、都会的な側面以外にもさまざまな魅力が幾重にも重なっている国でした。その魅力を象徴していたのは、緑の広大な敷地を誇り、神聖な雰囲気を湛えた皇居と、東京の高層建築が周囲に連立する景色でした。そして、ハイライトは京都の金閣寺でした。その荘厳な美しさには鳥肌が立ちました。日本の神社仏閣にお参りする時は水で手を清めますが、カトリックも教会に入る時に同じように水で清めます。私が慣れ親しんだ宗教との共通点を発見できたのもうれしい驚きでした」。

唯一の私立校からの参加者、Alice Cottiさん(左)と教育文化部会の阿岸さん

唯一の私立校からの参加者、Alice Cottiさん(左)と教育文化部会の阿岸さん
 

 そして、日本人の子女が多く在籍するRidgecrest Intermediate Schoolの校長、Jaime Mancillaさんは日本語で簡単な自己紹介をした後、日本の教師がアメリカの教師よりも。児童生徒のためにはるかに長い時間を費やしていることに驚いたと口にした。「日本の教師たちは授業だけでなく、放課後の部活動でも指導役を担っています。私たちは茶道部のお点前を体験したのですが、さっきまで数学を教えていた先生が休憩もなく今度はお茶を教えていました。また、給食も印象的でした。温かくバラエティー豊かなメニューで、これが本当にスクールランチなのか?と感動しました。さらに台風や地震時の訓練も体験しました。日本は安全な国なのでシューターズドリル(銃撃事件に対応する訓練)がないのはアメリカとの大きな違いですね。結論はどこの国でも子どもは子どもであり、どこの国の教師も彼らのためにできるだけのことをしたいと思っているということです。日本で見たことや学んだことをアメリカの学校現場で生かしていきます」。

「日本の教師が生徒のために使う時間の長さに驚いた」と話すJaime Mancillaさん。

「日本の教師が生徒のために使う時間の長さに驚いた」と話すJaime Mancillaさん。
 

 また、報告会には出席できなかった5人目の参加者、Palos Verdes Peninsula High Schoolの校長、Brent Kuykendallさんはビデオメッセージを寄せた。「私を選んでくださり、本当にありがとうございました。日本での経験は一生に一度の貴重な機会となり、期待をはるかに上回るものでした。次回は妻と一緒に日本を訪ねます。そして、JBAの皆さんには『USEJプログラム』を今後も末長く続けてほしいと希望します」。
プレゼンテーション後のランチタイムには、日本で撮影したビデオを鑑賞しながら、各テーブルでJBA関係者とUSEJ参加者との間で、日本の話に花が咲いた。今年の参加者のプレゼンテーションからは口々に、「教育現場に今回の経験を生かしていきたい」「同僚にも『USEJプログラム』に応募するように紹介している」「JBAには今後も同プログラムを継続してほしい」といった言葉が聞かれ、例年以上に熱い情熱が伝わってきた。

プレゼンテーション終了後は、日本で撮影したビデオを見ながらのランチタイム。

プレゼンテーション終了後は、日本で撮影したビデオを見ながらのランチタイム。

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