JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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KPMG LLP
Audit Partner
前川 武俊さん

1973年福岡県生まれ。1〜5歳まで西ドイツ、その後は千葉県で育つ。早稲田大学院商学研究科修了後の98年にKPMGニューヨーク事務所に入社。2年間の日本駐在後、2009年ロサンゼルス事務所に異動。日米公認会計士。13年度JBA企画マーケティング部会長。

米国で活躍する企業の 「Trusted Business Advisor」に

一度も来たことがなかったアメリカで就職

公認会計士になると決めたのは高校2年のときです。日本では大学の専攻と職業がリンクするのはまれと言われていますが、自分は大学進学にあたり首尾一貫した形で学びたいと思って、いろいろ考えた末に公認会計士を目指して商学部に進学しました。今考えてみると、ほとんど根拠のない「決め打ち」だったのですが、その後20年以上会計に従事して生きていることを考えると、結果的に良い選択だったと思います。
小さい頃からの将来の夢は「国際人」になることでした。父親の駐在で暮らしたドイツでの生活の影響があったからかもしれませんが、言葉や人種の壁を感じずに働ける国際人になりたいという夢を持っていました。それでも大学では公認会計士の試験勉強、大学院では研究にかなりの時間を費やして、結局ドイツ以外は何の海外経験もないままでした。
大学院を修了する時点で、博士課程に進むかどうか真剣に迷いましたが、会計は実学であることを考えて、実務の世界で生きていこうと決意しました。その中で、海外で働きたいとも願っており、まず日本の監査法人に就職していつか駐在でアメリカに来られれば…と考えていました。ところが、非常に幸運なことに人の紹介を頂き、大学院修了直後に直接KPMGニューヨーク事務所に入社することになりました。あまり大きな声では言えませんが、ニューヨークで就職することが決まった時点で、実は私は一度もアメリカに来たことがありませんでした。そういう決断をする私もかなり変ですが、雇ってくれたKPMGもどうかしていますよね(笑)。最終的に、逆にアメリカの監査法人から日本に駐在することにもなって、人生分からないものだなと思いますし、長い期間で見ると、意外と夢は実現するものだなと感じています。

監査とは資本市場のインフラの一つ

監査は、簡単に言うと、会社の財務諸表をチェックする仕事です。会社の財務諸表が適正に作成されているかどうかは、財務諸表利用者である株主、投資家、潜在的投資家には判断がつかないため、会計の専門家である公認会計士がさまざまなテストを実施した上で、財務諸表の適正性について意見表明をします。その点、監査は資本市場に不可欠なインフラの一つであり、とてもやりがいのある仕事だと思います。
監査人は、通常社外の人がアクセスすることができない情報にアクセスできて、社内の人には難しい横断的な会社業務の理解をできる可能性があります。また、監査業務遂行の過程で、お客様のビジネス上の問題を理解する機会も多々あります。そのため、専門である監査で高品質なサービスを提供することは大前提ですが、お客様の状況に応じて適切なKPMGの専門家をご紹介して「ソリューション」を提供していくことも自分の大きな役割だと考えています。そういう意味で、今後はお客様の「Trusted Business Advisor」という存在になれるように頑張っていきたいと考えています。
全くバックグランドがない中で、ここまでアメリカで生きてくることができて、本当にラッキーだったと思います。これからは、寛大なアメリカ社会に恩返しをしながら、日本人の一人として、日系企業を応援し続けたいと考えています。JBAにもずっと参加させていただきます!

東日本大震災復興支援のためにJBAが作った絆Tシャツを着て、家族と一緒に。「長女は、あさひ学園でお世話になっています」

東日本大震災復興支援のためにJBAが作った絆Tシャツを着て、家族と一緒に。「長女は、あさひ学園でお世話になっています」

 

=COMPANY INFO=

KPMG LLP◎世界四大会計事務所の一つ。監査、税務、アドバイザリーの3部門のサービスを提供している。世界148カ国に展開しており、日本ではあずさ監査法人が加入監査法人である。

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