JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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野村一彦さん

Wakunaga of America Co., Ltd.
President/CEO
野村一彦さん

1956年兵庫県生まれ。80年に大学卒業後、武田薬品工業に入社。山口県光工場勤労課、本社人事、経営企画部、営業本部、国際本部などを経て、イタリア、フィリピンに駐在。2005年に帰国し、ヘルスケアカンパニー営業部長、研究本部業務部長などを歴任後、14年、湧永製薬に入社。同年4月に渡米し現職。

Kyolicをアメリカへ、世界へ

昔から好きだった英語
語学力を活かして世界へ

野村一彦さん
なぜだか分からないのですが、中学の頃から英語が好きでした。英語の向こうに自分の世界と違うものがある、そんなふうに思っていたんでしょうか。中学3年生くらいからは辞書を引き引き英語の小説を読んでみたりして、就職する時も海外で仕事をしたいと思っていました。しかし若い頃はお金もなかったですから、初めて海外に行ったのは28歳の時の新婚旅行でした。旅行先はここロサンゼルス、そしてサンディエゴ、メキシコのティファナ。ですから、2014年にWakunaga of America Co., Ltd.の社長として赴任した時は、30年ぶりに帰ってきたような感じでした。

新婚旅行の後、当時の勤務先の武田薬品の海外留学制度で、ヨーロッパに留学。そこから急に海外での仕事が増えていきました。1998年からは5年半ほどイタリアに駐在に。性に合っていたんでしょう、人生で一番と言っていいくらい面白かったですね。楽器を習いたいと思っていたのでピアノを習ったり、さらに夏は3週間、ほぼ国民全員が休みを取る時期があり仕事にならないので、その時期は私も休みをとって、妻とイタリアの田舎を旅行したり。

会社には遊び過ぎていると見えたんでしょう(笑)。しっかり仕事をしろと、一番業績が低迷していたフィリピン子会社の社長に異動に。とはいえ、業績が悪かったのは基礎が社内で共有されていなかったのが大きな理由で、基礎を現場に徹底することで、約2年半の赴任中に業績は黒字化。しかし、イタリアが恋しかったですね!イタリアでももちろん仕事はしていたんですよ(笑)。

 

Kyolicと共に欧州市場へ

その後、帰国して一般用医薬品を扱うヘルスケアカンパニー営業部長、医療用医薬品の研究本部業務部長、湘南研究所建設プロジェクトリーダーなどを務めた後、湧永社長にお話をいただき、2014年2月に湧永製薬に入社。4月にアメリカの社長に就任し、現在では日本と台湾をのぞく世界中の湧永の製品の販売をこちらで統括しています。責任は重いですが、その分仕事はとてもやりがいを感じています。

当社の主力製品である「Kyolic」(日本では「キヨーレオピン」として販売)は、ニンニクを熟成させ、そこから抽出した液を製品化したものです。2年近い熟成の過程でニンニク特有の匂いがなくなり、逆に高血圧やコレステロールの改善が期待できるなどの作用が出てくるのですが、そうした効能は例えば頭痛薬のように簡単にイメージできるものではありませんよね。しかもニンニクという自然のものを使っていますので、科学の進歩と共に新たな成分やその働きが次々と解明されている非常に面白い製品なのです。ですから湧永の製品は、お客様に説明をして納得をして買っていただくものであり、それをご説明くださる薬局、医師、販売代理店さんとの関係が非常に大切です。それは日本でもアメリカでも、ほかの国々でも変わりません。

Kyolicのアメリカでの業績は、売上、利益とも順調に伸びてきています。今はヨーロッパに子会社を作るプロジェクトを進めているところです。すでに代理店さんを通して欧州12カ国で販売してはいるのですが、サプリメント大国のドイツ、フランス、イタリアでは未発売。日頃からニンニクをたくさん食べるイタリアでは「ニンニクは普段から食べているから…」となかなか参入のハードルは高いですね。ニンニクとKyolicは別物だと説明して理解してもらうには時間がかかるかもしれませんが、ヨーロッパ市場は欠かすわけにはいきません。米国在任中に、ヨーロッパのKyolicの売上をアメリカ並みにすること、それが私の使命ですね。

Wakunaga of America Co., Ltd.◎1955年創業の湧永製薬株式会社の海外現地法人。湧永製薬の国際化の拠点として72年に設立された。同社の主力製品である熟成ニンニク抽出液配合の健康補助食品「Kyolic」(「キヨーレオピン」)は60年誕生。

野村一彦さん

仕事で毎月海外出張があるほか、プライベートでもしばしば旅行に出掛けている。「行ってみて初めて知ることや、めずらしい出会いなどもあります。そうした偶然は旅行の醍醐味ですね」と野村さん。左上から時計回りに、マウント・ラシュモア、サウスダコタのクレージーホース、セドナ、バルセロナのサグラダファミリア。

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