JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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深見 学さん

Kobelco Compressors America, Inc.
General Manager of Administration
深見 学さん

1967年和歌山県生まれ。名古屋工業大学機械工学専攻卒業後、91年、神戸製鋼所入社。電子・情報事業部のFA・ロボット事業に機械設計担当として配属。同事業部の資材調達部門を経て、2000年、機械事業部の資材部門へ異動。16年、米国に赴任し現職。

自発的にモチベーションを高め 変化を楽しめる環境作りを

固定概念を超えた新たな挑戦は仕事の醍醐味

深見学さん
1991年に神戸製鋼所に入社し、その頃事業部となったばかりのFA・ロボット事業に配属となりました。最初の3年はロボットを使った自動溶接システムの機械設計を担当。人間のように自在に姿勢を変え道具を持ち替えられないので、溶接箇所に干渉なくロボットの腕先が届くよう、ワーク位置決め装置の機構設計に工夫がいります。当時担当した建機のフレーム溶接システムでは、サイズの違う複数ワークに対応できるシンプルな機構を思い付いたのは良かったのですが、お客様のご要求以上に完全自動化してしまって(笑)。営業には「誰がそこまでやれ言うてん」と突っ込まれました。結果的にその自動化も評価され、追加で費用をお客様からいただくことができました。

そんなふうに固定概念ではできないことに挑戦して結果を出すのは、やはり仕事の醍醐味の一つ。機械加工の母性原理が言うように、コピーは必ず劣化する、同じことを繰り返せばダメになってしまうのです。無論、新しいことに次々取り組めたのは、失敗を怖れない環境に恵まれたことも大きかったと思います。

 

幸せは環境ではなく
立ち位置が決める

2000年、会社としての取捨選択の中で、FA・ロボット事業は解散し、私は機械事業部の資材部門に異動しました。それまで海外とほぼ無縁でしたが、海外調達の業務に携わるようになり世界各国に出張をするように。出張先で出会う多様な文化にすごく影響を受けましたが、最も衝撃が大きかったのはベトナムとインドです。週末の夜のベトナムでは何組もの若いカップルが大通り沿いの緑地帯にバイクを停めて、運転席と荷台に横に並んで座り、目を見つめ合っているのを見たのです。日本だと恋人といてもスマホを見てばかり。あんなふうに互いの目を見て話しているだけでその時間が楽しくてしょうがないなんて感覚は、自分も持っていたはずなのにどこにいったんだろう…と。またインドで出会った登校中の女子高校生の数人は真っ新な制服を着て満面の笑みなのに、足元は裸足だったのです。日本の感覚なら裸足で歩くなんて幸せだとは思えないでしょう?その時に「幸せ」って環境じゃない、その環境を楽しいとか幸せだと感じられる立ち位置の問題だと思ったのです。

よく仕事にはモチベーションが大事だと言いますが、幸せと同じようにモチベーションも環境じゃなく内から湧き上がるものですよね。今ここで作りたいと思っているのは、そういうモチベーションが自然に生まれる職場環境です。私は16年に渡米し駐在員としてKobelco Compressors America, Inc.のアドミニストレーションの統括をしています。当社は今、特に何の不自由もなく日頃の企業活動を行っていますが、同じことをしていては企業活動の質は自然と劣化します。そうではなく常に変わろうという気持ちを芽生えさせる必要がある。しかもその会社の変化が駐在員の指示による受動的なものなら、その駐在員がいなくなったらその変化は途絶えてしまいます。現地の社員が自発的にモチベーションを上げ、変化していく環境を作っていきたいと思っています。

仕事にしてもデートにしても、同じことの繰り返しでは面白くないですよね(笑)。変化や発見は面白いしワクワクします。夫婦揃って食べるのが好きなので週末は新しいカフェを見つけては試していますが、長い休みには、この広いアメリカのまだ見たことのない世界を見に行きたいですね。

Kobelco Compressors America, Inc.◎神戸製鋼所の子会社として、米国で同社の圧縮機を販売。コロナ本社事務所・工場で、圧縮機とその圧縮機の運転に必要な補助装置を顧客に合わせてパッケージ化するための設計・製造を行っている。

深見学さん

運転に必要な補助装置と共にパッケージ化された同社の圧縮機。顧客に合わせたテーラメイド品だ。

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