JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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MHI Wind Power Americas, Inc.
President & CEO
中村 俊司さん

1954年東京都生まれ。成蹊大学卒業後、三菱重工に入社。89〜93年、ロンドン駐在。2001〜05年、ニューポートビーチのMitsubishi Power Systems(現Mitsubishi Hitachi Power Systems)駐在。11年に再び同地に赴任。13年度、オレンジカウンティ地域部会長。

日本人の美徳を備えつつ 積極的な発信で価値の向上を

38年発電一筋
電気の安定供給で暮らしの質を向上

1976年の入社から38年、ずっと発電設備の輸出一筋で、世界中の国に発電設備を導入してきました。その間、より少ない燃料でより多く発電できるように、発電の効率も随分改善されました。三菱重工の発電設備部門は自由に仕事をさせてくれる雰囲気があり、若い頃からたくさん海外に出してもらいました。簡単に電話ができる時代ではありませんでしたから、行った先で何かがあれば自分で考えて解決する。日本側はそれを信頼してサポートしてくれるので、その期待に応えようと必死で自分で考えて行動するクセが付きましたね。

導入のために色々な国を訪れ、中でもドミニカ共和国には20回以上滞在しました。その頃は1日の通電時間が3時間ほど。ホテルでは自家発電をするのですが、暗い。電気がないと不自由でしょう?そこに電気を安定供給できると、暮らしの質が上がります。やりがいがありますし、ロマンチックな気がしました。

外からよりよく見える
日本人の美徳と必要なもの

輸出がしたくて入社しましたので、駐在員として出してもらったのは願ってもないことでした。僕は昔から若干日本の社会からはみ出してしまう傾向があったんです。小学校に上がるときには、集団登校などを思って「これからの小学校生活が大変だ」とため息をついていたくらい。そしたら父の転勤で香港に引っ越し、イギリス系の小学校でのびのびと過ごし、帰国してからも帰国子女枠のある学校で割合自由に生きてきました。会社に入ってこれから大変だと思っていたら、会社人生の3分の1は海外で、本当に自由にやらせてもらいましたね。

米国は2回目の駐在で、最初は以前に駐在したイギリスの方が良いと憎まれ口を叩いていたのですが、フェアにやっていくことを大切にする素晴らしい国だと、最近つくづく思います。でもこうやって外に出て、外が良いと言い続けてきたけれど、やはり自分は日本人だと思うんです。群れがイヤだと言いながら人を気遣ったり、和を重んじたり。外国にいると、そうした日本人の美徳がよく見えてきます。オレンジカウンティ地域部会部会長をしていた昨年は、そういうところを米国人にも理解してもらって、日本のファンが増えればと思って活動していました。思いやりを持つ反面、最近の日本人は豊かに育ったがためにハングリー精神に欠ける面もあります。豊かな生活を維持するには、世界の中で積極性を持って日本の価値を高めていかなくてはならないと思います。思いやりも大切だけど、自分から積極的に発信していくコミュニケーションが不可欠でしょうね。生きていくことは何でも外との接触ごとですからね。

世の中は不公平ですけれど、一つだけ公平なことに人間の寿命はほぼ同じ。意外に人生は短いのですから、一所懸命やって死んだと思えるようにしたい。やりたいと思っていた三味線は、今回米国に来てから始めて3年弱。三味線はバックグラウンドミュージックだから間違うと人に迷惑がかかるので、すごく集中します。それがストレス解消になるのです。絵も不器用だから描けないと思っていたけれど、40歳を過ぎてから始めたんです。ずっと輸出の仕事をさせてくれた会社に恩返しをしたら、いつまでもジジイがのさばっているんじゃなくて、キレイさっぱり引退して、もっとたくさん絵を描こうと思っていますよ。

=COMPANY INFO=

MHI Wind Power Americas, Inc.◎発電設備や環境装置等を扱っていたMitsubishi Hitachi Power Systemsの風車部門が分社化され、2013年12月に設立。三菱重工は1980年より、風力発電設備の生産、導入を行っている。

 テキサス州に導入した風力発電設備。MHIは米国各地に新たな風車を設置している


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