JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

サイト内検索

Goshiki LLC
副社長
田仲澄絵さん

神奈川県出身。高校時代に1年間サンディエゴに留学。上智大学比較文化学部卒業後、外資系広告代理店に勤務。05年、夫の達郎さんが印刷会社・株式会社五色を設立。13年に家族で渡米、14年、五色の米国拠点Goshiki LLCを夫婦で立ち上げ、副社長に就任。

「世界で1万店」 家族で夢を追いかけて渡米

20年来の夢を叶えカリフォルニアに

田仲 澄絵さん
高校時代1年間サンディエゴに留学した時にこちらの暮しが大好きになり、アメリカの大学に行くつもりで帰国しました。ところが、すっかりアメリカにかぶれた娘の容姿を見て、親から「アメリカの大学には行かせない」と…。日本で大学を卒業し、その後は外資系広告代理店の戦略プランナーとして、ユニリーバやジョンソン・エンド・ジョンソンなどの広告作りに携わってきました。しかし結婚をして産休に入った2004年、夫の達郎が突然脱サラ。夫は印刷会社を立ち上げ、長女出産と同じタイミングで、株式会社五色が誕生しました(笑)。

五色は、10年からネットで印刷受注をできる「BEST PRINT」を開始。それまでの印刷業界では、対面での見積もり、発注が基本でしたが、オンラインでできるようにしたのです。その分野で先駆け的な取り組みで、夫の会社はおかげさまで順調に伸びていきました。

そして13年、私は広告代理店の仕事を辞め、家族でアーバインにやってきました。きっかけは、11年の東日本大震災でした。津波で一瞬で流されていく建物を見て、「形あるものは、いつかなくなってしまう、もっと人の記憶に残るいい仕事をしたい」と、かねてより考えていた海外進出をしてみようと思ったわけです。夫は会社を立ち上げた時から「世界で1万店」という夢があり、まずはシンガポールに1号店を考えていましたが、その前に英語は話せたほうがいいねということで、世界中で通じるアメリカのビジネス英語を学ぼうとアメリカに来たのです。当初、夫は語学学校、私はUniversity of California, Irvine、子どもたちは現地校に通い、家族全員学生。「よく思い切ったね」と言われることもあるのですが、高校時代から戻ってきたかったカリフォルニアに帰ってくることができましたので、ほぼ20年越しの夢が叶いました。幸い夫の会社は、オンラインビジネスでしたので、日中は英語を学び、夜は日本の会社の社長業をオンラインでやっていました。

 

海外1号店としてアメリカ拠点を設立

一年経った頃、せっかくなら、日本より10年進んでいると言われているアメリカの印刷業を学びながらやってみようと、14年に夫婦でGoshiki LLCを立ち上げました。まずは、アメリカのニーズを知るために、路面店でビジネスを始めることに。そうやって対面でお客様と接することで、アメリカでの商習慣、特に納期やクオリティーに対する感覚の差などが見えてくることが多かったです。そこで改めて実感したのは、日本の印刷技術とカスタマーサービスのきめ細かさ。確かにマーケティングやオンラインシステムは、日本よりアメリカの方が断然進んでいますが、日本の印刷技術の高さは世界一と確信しました。その日本独自の技術をアメリカに紹介しながら、和紙印刷、うちわやはっぴ印刷など、日本では縮小してきている伝統的な印刷業のアメリカ進出を応援していくのも当社のミッションの一つになりました。

「世界で1万店」に加え、夫のもう一つの夢は、活版印刷発祥の地ドイツで、日本の高い技術と品質を証明すること。私の夢は、その夢に向かいながらもまずは家族全員が幸せでいられること。夫と出会ってからは想定外の連続で、ジェットコースターみたいな人生ですが、田仲家の家訓は、「すべて何とかなる、する」。できることを精一杯やりながら、毎日楽しんでいきます。

Goshiki LLC◎日本の印刷会社、株式会社五色の米国拠点として2014年に設立。主要事業は、カタログやちらしなど各種印刷から、デザイン制作、販売促進など。南カリフォルニアに加え、サンフランシスコ、ニューヨークにも展開。

田仲 澄絵さん
「親が自分の夢を叶えていく後ろ姿を見せながら、夢は叶うのだと子どもたちに伝えたい」と田仲さん。

私のLAライフ一覧へ

PAGETOP