JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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Yuki Yoshinobu

Ys and Partners, Inc. / Ys and Partners Japan
代表取締役社長 & クリエイティブ・ディレクター
結城喜宣さん

米国最大手の広告代理店、JWT 東京で12年間勤務後、36歳で渡米。2002年10月にYs and Partners, Inc.を創業。05年に横浜元町にYs and Partners Japanを設立。統合的なコミュニケーションアイデアを創出するクリエーターとして日米で活躍している。

米国での成功に欠かせない 企業のマーケティング活動を支援

米国で広告代理店を起業 その後、日本に逆進出

日本では外資系広告代理店のクリエイティブ・ディレクターとしてハーゲンダッツやロレックスなどのTVコマーシャルを作り、グローバルブランドのブランディングを手掛けていましたが、1999年9月、そこを長期休職して渡米しました。留学中はハリウッドで活躍するシナリオライターの下で映画の脚本の勉強をし、University of California, Irvine校でインタラクティブ・デザインの勉強をしました。

学校が終わり、会社からは復職を望まれましたが、妻と娘が米国生活を希望。元来、挑戦することをいとわない私は、米国に残って勝負することにしました。とは言え、不安がなかったわけではありません。そんな折、私の背中をぽんと押してくれる出来事がありました。
退職届を握りしめ一人で乗り込んだ飛行機の中、偶然隣に座った映像機器メーカーの社長と話をしました。米国進出の夢を引っ提げ、ひとり展示会に挑んだ彼の熱い話を聞きながら、私は「これまでとは逆に、日本のブランドを米国で広げる支援をしよう」と心に決めました。

2002年10月、Ys and Partnersをブランドストラテジストの妻とアーバイン市で共同創業。機内で会ったその方が最初のクライアントとなりました。今でこそ日米に3つのオフィスを構えていますが、いつも順風満帆であったわけではありませんでした。そもそも米国に進出する日系企業が少ないこと。マーケティング予算を持っている会社となるとほんの一握りです。また、欧米式のマーケティングを学ばずに進出してくる企業も多いことが分かってきました。
そのため、数年前からは教育啓蒙活動にも力を入れ始めました。私は国の機関や商工会議所、在米日系企業など。妻はそれらに加え、California State Universityや日本の事業構想大学大学院でゲスト講師としてブランディングやマーケティングについてレクチャーをしています。

社会貢献の一翼を担う
志の高いマーケティングを目指す

あるとき、医療系を目指す大学生の娘に「マーケティングでは人を救えない」と言われたことがあります。その言葉は深く私の心に刺さりました。
でもその後、こんな出来事がありました。娘が動物シェルターから殺処分される犬を一匹助けようと、SNSを使って全米から飼い主を募集したのです。ワシントンの女性が名乗り出てくれ、紆余曲折があったものの、最終的に大勢の善意の連携によって一匹の犬の命を救うことができました。この経験から、娘は多くの犬を助けるためには、多くの人々にこの問題の本質を知ってもらう必要があると気付きました。そのためには伝える技術、つまりマーケティングメソッドが必要であると学んだのです。
 私たち自身も、マーケティングを使ってソーシャルコミットメントができる。そう思い始めてからは視点が変わり、クライアントに対する提案も変わってきました。

今後も積極的に進出日系企業の支援をし、少しでも多くの日本ブランドが米国に定着し、ひいては日本国のブランディングになれば良いと願っています。同時にビジネスで得た利益を社会に還元し、自分の仕事が社会貢献の一部になるように前進していきたい。マーケティングで人を救えると信じ、世の中を良くすることに貢献していきたいと考えています。

Yuki Yoshinobu

家族といるときが一番幸せと語る結城さん。「スキーなどにも家族で行きます。気分が安らぎ、心が落ち着きますね」

=Company Info=

Ys and Partners◎日米にオフィスを構えるストラテジック・クリエイティブ・エージェンシー。日本製品を米国市場に売り込む際に効果的な、科学的かつ創造性のある米国式マーケティング・アプローチに定評がある。

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