JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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Mitsubishi Motors North America, Inc.
Manager, Distribution Planning and Plant Liaison
直井優介さん

1977年神奈川県生まれ。学習院大学経済学部卒業後、物流会社勤務を経て、2006年三菱自動車入社。東京本社にある海外業務部に勤務後、11年7月より米国駐在。2014年度、JBAオレンジカウンティ地域部会副部会長。

メーカーの信頼を支える 物流品質改善の使命感

2011 年から初の海外赴任で米国駐在に

アメリカに赴任する前は、海外からの注文を受けて出荷の手配を担当する、海外業務部にいました。海外とのやり取りはメールが主でしたが、いつか実際に海外で働いてみたいと思っていたところ、運良く2011
年にアメリカに来ることになりました。
旅行は何度かありましたが、海外に住むのはこれが初めてで、赴任当初はネイティブの英語に慣れようとなるべく現地社員と昼食に出て、毎日アメリカンフードを食べていたら、渡米3カ月で体重が5kg 増加。3~4年駐在したら別人になってしまう…という不安からランニングを開始。何回かハーフマラソンにチャレンジし、帰任が近くなった今年、ついにLA マラソンに出場しました。20 マイル以降は足が腫れて歩くのもつらかったのですが、なんとか完走できたので、もう思い残すことはありません(笑)。

そのほかに、同僚と仕事の後に学生時代にやっていたバドミントンをする機会もあり、日本にいる時よりも運動をしている気がします。

港にも数多く出張し現場を見ることの重要性を実感 。写真は同社の米国輸入台数が最も多いボルチモア港

ここでの担当は、日本でいた部署への注文の出し手側になります。販売計画に基づいて、発注台数や在庫計画を立案すると共に、物流業務を管理・改善しています。アメリカの物流で難しいのは大陸の広さです。日本では製造工場から港の距離が比較的近く、例えば1時間程度で運べるのですが、アメリカの場合、例えばテキサスのディーラーに送るためには、ロサンゼルスの港に着いてからトラックと鉄道の複合輸送で10 日程度かかります。通常日本からの輸送だと西岸で2週間強、東岸だと1カ月はかかります。その期間を見越して計画を作り、タイムリーに納車されることがお客様やディーラーからすれば当然なのですが、冬などは雪で鉄道が動かなかったりして…。きちんと納車できると本当にほっとします。

広大なアメリカで学びを生かしさらに物流品質を改善

アメリカに来て強く実感したのは、現場を見ること、知ることの大切さです。直接現場に行くと、次からのコミュニケーションも取りやすくなりますし、現場の感覚も分かります。例えば、車両を早く納車したいか
らと言って、船のスケジュールを早めたとしても、複数の大型船が同時に入港しては、作業員の数は限られており、結果として荷揚げ作業は進みません。
当社は自動車メーカーですから車の商品力が大事な部分であることは間違いありませんが、販売を伸ばしたり、顧客満足度を上げたりするためには、営業力や物流品質も重要です。物流品質にもいろいろあり、輸送日数の短縮は分かりやすいものの一つだと思いますが、物理的に難しいこともあります。そこで昨年から力を入れて取り組んでいるのは、到着情報を早めに提供し、アップデートしていくことです。例えば船が遅れてしまった場合でも、今の状況や見通しをタイムリーに共有できれば、ディーラーの安心感は違うと思うのです。
リーマンショック後、市場全体が伸びていることもあり、当社の新車販売台数も増えています。販売台数の増加に伴い、当然在庫も必要になってきます。物流を管理する立場として、在庫過多はもちろん良くないですが、「車があればもっと売れたのに…」と言われることは絶対に避けたい。計画が達成できるように、適切なタイミングで適切な在庫を持つのは、私たち物流に関わる部隊の大切な使命だと思っています。

=Company Info=

Mitsubishi Motors North America, Inc.◎1970年に三菱重工業から独立した三菱自動車工業株式会社の子会社で、1981年に設立された。
米国内における三菱自動車の製造、販売、マーケティングなどを行っている。

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