JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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JBAからのお知らせ

12/26(Mon) | JBA会長、在ロサンゼルス日本国総領事からの新年の挨拶 2023

小林弘典JBA会長
小林弘典(こばやしひろのり)

新年、明けましておめでとうございます。

 新年、明けましておめでとうございます。2023年が皆さまにとりましてより良い一年でありますよう心よりお祈り申し上げます。

 長きにわたるコロナ禍の厄災を乗り越え、往来が緩和された日本に昨秋一時帰国する機会がありました。偶然にも赤坂とらやを訪ね、羊羹の断面の小豆を闇に白く浮かぶ梅の花に見立てたと言われる”夜の梅”を頂戴しました。時代が変わっても守ってこられたコアがある中で、時代に合わせて求められるものを提案されてこられたことが、18代500年栄え愛される老舗の伝統であると深く感じることができます。赤坂本店ギャラリーで羊羹・和菓子の由来や歴史を振り返るとともに、小豆と寒天にまごころを加えてお客様の世代・用途・地域に合わせて柔らかさや形状、パッケージをお口に合わせていく様子を拝見致しました。最近は餡をペーストにして生クリームとともに食パンのお供にまで! 秘伝のレシピや形状を変えないことが伝統を守ることではなくて、時代を越えて新しく愛され続けることが伝統だと感じます。

 コロナ禍の前後でワークスタイルや生活スタイルが変化する中、ハリウッドボウルでクラシックを聴く機会にも同様なことを感じます。クラシック音楽はバッハ、ベートーベン、ブラームスの時代から偉大な作曲家が多くの作品を残し、偉大な演奏家や指揮者が多くの名演を残してきました。演奏家や指揮者は楽譜に表現された作曲家の意図を汲み取り、突き詰め、正しく再現することを目指します。このことは伝統芸術や技能を伝承し守ることからも重要なことです。ただ一方で、作曲家の意図の再現だけを目指すことは後ろ向きで、巨匠の名演の録音があればそれを超える芸術は生まれないことになってしまいますし、今を生きる聴衆に提供する価値が薄れます。音楽は演奏家と聴衆が気持ちや感情を伝え合い、ライブで感情や感動を分かち合える空間だと思います。クラシック音楽は、作曲家の意図をコアとして、演奏家や指揮者は演奏を通じて伝えたいものを持ち、聴衆は各々の心情を重ね合わせて、その場その場で新たに生まれている芸術なのでしょう。だからこそ、新たな演奏家が生まれ、新たなファンを生み、次代に望みを託すことができる伝統芸術としてつながっていけると思います。

 時代やワークスタイル・生活スタイルが変わりましても、JBA(南カリフォルニア日系企業協会)の変わらぬコアは、人の集まる場所であることだと存じます。人の集まる場所に新しい出会いや新しい学び、新しい刺激、夢や意欲が生まれます。JBAは本年も人と会い、人とつながり高め合う機会のお役に立ちたいと願っております。

 本年が皆さまにとって歓びに満ちた年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

 


 

曽根 健孝在ロサンゼルス日本国総領事
曽根 健孝(そね けんこう)

明けましておめでとうございます。

 令和5年の年頭に当たり、新年の御挨拶を申し上げます。 昨年9月の着任以来、在留邦人、日系企業、日系人団体をはじめ、わが国と米国との関係強化に様々な形で貢献していただいている多くの皆様に温かく接していただき、改めて御礼を申し上げます。今年も皆様とともに日米関係を一層発展させるべく努力したいと思いますので、引き続きの御協力と御支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

 日本では、岸田内閣が新たに発足し、新型コロナウイルス感染症対応に留意しながらも、「成長と分配の好循環」を実現するため、「新しい資本主義」を始動しました。ポストコロナの未来を切り拓くことで、国民の皆様に安心と希望をお届けし、世界においては、先進国の中で遜色のない成長をすることで本格的なジャンプスタートを切っていくことを目指しています。

 令和3年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開かれた年でした。世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るい続けていた最中、日本は、世界に対して約束した大会の開催を実現させるため、感染への恐怖、様々な感染防止対策やそのための制限に苦しみながらもあらゆる努力をしました。そして、皆様がご覧になったとおり、世界中のアスリートに活躍の場を提供し、コロナ禍で苦しむ世界中の人々に対して、夢と希望、感動と勇気、そして一体感を与え、改めスポーツの力の素晴らしさを示しました。また、障害のある人もない人も共に生きる共生社会の実現に向け、心のバリアフリーの精神を世界に発信できたと思います。私は、世界中に感動を届けてくれたアスリートの皆さんに心から感謝するとともに、日本がコロナ禍でできる最大限の貢献を世界に対して示せたと胸を張って言えると思います。あの状況の中でのオリンピック・パラリンピックの開催は日本以外にはできなかったとの世界の有識者の指摘に賛同します。

 昨年はロシアによるウクライナ侵攻により、ヨーロッパのみならずインド太平洋地域を含む世界全体が大きな影響を受けました。武力による一方的な現状変更の試みは国際秩序の根幹への挑戦であり、決して許されるものではありません。このような安全保障面に加え、エネルギーや食糧をはじめとする経済的な側面においても国際社会が数々の課題に直面する中、強固な日米同盟が地域及び国際社会の平和と安定にとってこれまで以上に重要であることが確認され、その一層の強化に向け日米両国で取り組んでいます。太平洋に面するロサンゼルスから「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた日米両国の取組をしっかりと支えていくことが当館に課せられた重要な役割であると考えています。

 医療関係者を始め、引き続き多くの方がコロナとの闘いを続けていることに敬意を表したいと思います。同時に、当地においてウイズ・コロナの新たな生活を作り上げる試みが続けられていることに勇気づけられています。日本も昨年10月から渡航制限を大きく緩和し、3年にわたり滞っていた人的交流の再活性化に向けて動き始めました。久しぶりに日本を、米国を訪問した人たちから喜びの声が届いています。これを機に、当館としても、様々な分野とレベルでの交流をコロナ禍以前よりも更に拡大するために一層精力的に取り組んでいきたいと考えています。在留邦人及び日系人の皆様との強固な関係を軸とし、当地の様々なコミュニティとの交流、将来の日米関係の発展を担う若い世代がイニシアティブを発揮できるような交流、姉妹都市交流、スポーツ・武道や日本食を通じた交流などを積極的に推進していきたいと思います。当地にはジャパン・ハウスをはじめ日本の文化を発信する基盤とそれを受け入れる環境が十分に整っています。この環境を最大限に活かし、日本の最先端の文化や情報をいち早く当地の人々に向けて発信し、従来の枠を越えて新たな相互理解と協力を生み出すための取組を続けていきたいと考えています。

 カリフォルニア州は全米でも最先端の環境・気候変動対策を進めている州のひとつです。当館としては、日本が優位性を持つ水素技術等を通じて、日本企業と当地関係者との協力を力強く支援していきます。カリフォルニア州は2035年までに乗用車の新車販売をゼロ・エミッションとするとの目標を掲げていますが、わが国としてこの意欲的な環境目標へのソリューションに貢献する可能性を追求し、日米経済関係の一層の強化、更には日米が世界をリードしていく途につなげたいと考えています。

  また、当館のもうひとつの管轄州であるアリゾナ州にも着任以来既に複数回訪れる機会に恵まれました。フェニックス市の日系コミュニティを中心として、伝統的に我が国との良好な関係が維持されていることを心強く思います。毎年2月に行われるアリゾナ祭り、昨年開園20周年を迎えた日本庭園の鷺鳳園は日・アリゾナ関係の象徴とも言えるでしょう。アリゾナのある大学では日本語が最も人気がある語学であると伺い勇気づけられています。加えて、昨今目覚ましく伸長している半導体等のハイテク産業分野への日本企業の参画も後押ししていきたいと考えています。

  今年は「飛躍の年」卯(うさぎ)年です。日米関係のさらなる「飛躍」に向かって、皆様とともに力強く跳躍する年としたいと思います。最後に、新しい年における皆様の御健康と御多幸を心よりお祈り申し上げます。

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