第11 回トーランス/ジャパン 日本とトーランス市の親密な関係を再確認した夕べ 去る11月13日、トーランス地域商工会議所とJBAサウスベイ地域部会は、共催で「トーランス/ジャパン・ビジネスパートナーシップ・レセプション」を開催した。当日は各界から要人が参加し、トーランスと日本の緊密なパートナーシップを再確認。互いに親睦を深め合った。
日本人兄妹が奏でるバイオリンで幕開け
多くの日系企業が拠点を置き、日本人コミュニティーが広がるトーランス市。同市における日米ビジネスの振興促進と交流を目的とした同レセプションは、今年で11 回目を迎える。 会場となったトーランス・マリオットホテルには、午後5時30 分の開場と共にビジネスパーソンが続々と来場した。会場内では立食形式でアペタイザーやドリンクを楽しみながら、日米の国籍や業種を越えた人同士が話に花を咲かせ、プログラム開始までのひとときを楽しんだ。 午後6時、レセプション開始。最初に今回のスポンサー企業10 社が紹介され、トーランスのフランク・スコット市長より、各社代表者に感謝状が贈られた。 引き続き、凛々しい黒の紋付袴を着た堀口大地君(6歳)と、艶やかな花柄の振り袖に身を包んだ海月ちゃん(4歳)兄妹が舞台に登場し、バイオリンのデュエット演奏を披露した。大地君は3歳からバイオリンを始め、メキメキと頭角を現し、4歳で地元トーランス市のケーブルテレビで特集が組まれるほどのバイオリニストに成長した。 昨年『デイリー・ブリーズ』紙で、「5歳の天才バイオリニスト」として取り上げられたのをきっかけに、今回の日米交流レセプションに最適の演奏者として、出演依頼の声がかかった。可愛い子供バイオリニストの登場に、会場からは大きな拍手が巻き起こり、華やかにレセプションの幕開けを飾った。 ![]() ![]() 優雅にバイオリンを奏でる大地君(右)と海月ちゃん
総領事は、スコット市長から「Certificate of Recognition」を授与された
![]() ![]() 席に座れないほどの参加者が駆けつけた
日米の団結を訴えた鈴木JBA 会長
金融不安には日米協力で立ち向かう
引き続き、鈴木康義JBA 会長が壇上に上がりスピーチした。 「米国サブプライム問題に端を発した金融不安は、日本にとっても対岸の火事ではありません。トーランス市とJBA の協力体制をさらに強化し、団結してこの局面を乗り越えたいです。また、JBA は『良い市民』であり続け、トーランス市の活動に貢献していきたい」と抱負を述べた。 次に鈴木会長と固く握手を交わしたスコット市長が、そのまま壇上でスピーチを行った。市長はトーランス市と日本の親密な関係性に触れながら、日系企業が多くのアメリカ人雇用を創出してきた歴史を紹介した。日系企業のこれまでの貢献に謝意を述べると共に、来年トーランスにオープンする都ホテルを例に挙げ、ますます深まる両者の関係性をアピールした。最後に、「日米ビジネスを最も遂行しやすい市として、今後も強固な協力体制を維持していきたい」と締めくくった。 次に、在ロサンゼルス日本国総領事館の伊原純一総領事が壇上に立った。総領事はまず、今年11 月の大統領選挙に触れ、オバマ次期政権への期待を表明。「金融危機のインパクトは非常に大きく、各方面で悲観的なニュースが流れていますが、日米のパートナーシップは世界的にも強固。協力して米国景気の向上を目指したい」と前向きにコメントした。また、日系企業が円滑にビジネスができるのは、スコット市長やトーランス地域商工会議所の尽力の賜物として、謝辞を述べた。 ![]() ![]() 威勢のいい掛け声と共に割られた酒樽に、場内は大喜び
名誉賞受賞の4氏とスコット市長(左から池上氏、木下氏、スコット市長、雲田氏、鶴亀氏)
日本人ビジネスパーソン4氏が受賞した名誉賞
代表者らのスピーチが終わり、今回のメインイベントでもある名誉賞の授賞式となった。これはトーランスで長年ビジネス展開し、日米ビジネスの活性化に尽力・貢献した個人に贈られるもので、受賞者はYUGOBI 社長の鶴亀彰氏、Yoshinoya America, Inc. 社長の池上久氏、中京大学客員教授の雲田康夫氏、Enagic USA, Inc. 副社長の木下和孝氏。 壇上に立った4氏は、それぞれのプロフィールが読み上げられた後、喜びのスピーチを披露。これまでの苦労や困難の歴史を紹介しながら、名誉賞受賞の栄光に喜びと謝意を表した。 なかでも雲田氏のスピーチでは、森永乳業の駐在員として渡米した当時、アメリカ人が最も嫌う食材だった「TOFU」を、今のように普及するまでの苦労話をユーモアを交え披露した。初めてまとめ買い注文が入った時の思い出を取り上げ、「それが犬のエサ用に買われたものだった」と話すと、場内からは爆笑の渦が巻き起こった。 レセプション最後には、スコット市長、伊原総領事、鈴木JBA 会長と受賞者4氏らがハッピ姿で登場。威勢の良い掛け声と共に鏡開きを行い、勢い良く樽のフタが割られた。参加者らに日本酒が振る舞われ、閉会までの数分間、名刺を交換するなどして大いに交流を深め合った。 |