JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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5/1(Wed) | DT部会主催「マンザナール収容所跡慰霊祭バスツアー(4/27)」に参加して

4月27日(土)、2013年度JBAダウンタウン部会オープニングイベントを飾る、恒例マンザナール収容所跡慰霊祭バスツアーが実施されました。第3回目となる今回も、早朝の出発、長時間のバス移動にもかかわらず、定員57名満員御礼となりました。

途中休憩を挟み片道4時間半の車中、DVD「渡辺謙アメリカを行く(前後編)」(NHK)、映画「Farewell to Manzanar」の鑑賞を通して、日系アメリカ人が経験した収容生活に触れると共に、この日系人収容と結果的に深いかかわりをもつこととなる9.11事件にまで視野を広げ、事件発生当時運輸長官だった収容経験者、ノーマン・ミネタ氏がいかなる信念を持って世論と向き合ったか、戦中だけでなく、戦後において日系アメリカ人の果たした役割について学習を深めました。また、到着直前には、JANMでボランティアガイドを務めておられるKintetsu Enterprisesの鈴木顧問に日系アメリカ人の歴史、戦時背景、収容生活などについて解説いただき、公開されている情報、映画化された内容だけではうかがい知れない角度から、奥深い史実を共有しました。

マンザナール国定歴史史跡に到着し、いざその地に立つと、北は残雪の残るシエラネバダ山脈、南は一転して断層がむき出しになった岩肌の山脈に視界を遮られ、東西に果てしなく伸び続ける荒野は、照り続ける日の光をすべて享受し、激しく反射していました。一歩進むだけで巻き起こる砂埃、まだ4月であるにもかかわらず、突き刺すような強い日差し、いくら水分を補給しても喉を潤せないほどの暑さと乾燥。ドライブで通過するだけなら、まず日本では味わえない車窓に、心地よく風を切りながら鼻歌の一つや二つ歌っていたかもしれません。しかし、車を降り、眼前に広がる圧倒的な自然の力と対峙すると、鼻歌気分はどこへやら、そこにたたずむ人間の無力、絶望を否が応にも感じざるを得ませんでした。初めてこの収容所に降り立った先人達は、何を感じ、何を求め、何を目指そうとしたのか。この過酷な環境で、年間を通して、しかも何年にもわたって生活を余儀なくされた合計11000名以上の人々の苦労は計り知れません。

さて、私たちJBAツアー一行はまず最初にマンザナール慰霊祭に参列、その後は各自徒歩で、残されたレクリエーション施設跡、復元されたバラック、資料館などを見学して回りました。収容という異常な状況の中でも、生き抜くために農作業に取り組み、さらには生活を楽しもうとする人々のたくましさにも触れました。現在アメリカで暮らす我々の土台となっているのはこうした先人の血と汗と涙の結晶だと頭で再認識するとともに、その足跡を日焼けの痛みとして身体にもしっかりと刻み込みました。

幹事を務めていただいたダウンタウン部会の皆様、ご参加いただいた皆様、有意義な一日を本当にありがとうございました。

文: Kintetsu Enterprises Co. of America 林 龍人

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