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7/31(Mon) | 商工部会「FDI Report 2017 (海外直接投資報告書)」発表

去る6月15日に開催された「Select LA International Investment Summit 2017」において南カリフォルニアにおける2017年度版の海外直接投資報告書が発表された。JBAは2016年度、このレポート作成にあたり、スポンサーとして協賛した。

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WTCLAのPresidentスティーブン・チャン氏(左)と、石川斉JBA 会長

国別の海外投資
2年連続で日本が1位

JBAの協力団体であるLAEDC(Los Angeles County Economic Development Corporation、ロサンゼルス郡経済開発公社)の傘下機構であるThe World Trade Center Los Angeles(WTCLA)は、6月14日~16日の3日間にわたって、ダウンタウンLAで「Select LA International Investment Summit 2017」を開催した。この催しは、南カリフォルニアにおける貿易動向、ロサンゼルス郡での直接投資の機会やマーケットトレンド等について紹介するもので、国内外から300名超のビジネスリーダーが参加。JBAからも、石川斉JBA会長をはじめ商工部会員が出席した。

Select LA 2日目、6月15日に2017年度版の南カリフォルニアにおける海外直接投資報告書「Foreign Direct Investment in Southern California, 2017」(以下FDI Report)が発表された。これは南カリフォルニアに対する諸外国からの投資や貿易等の対外活動に関わるデータをまとめたもの。JBAは、日系企業の南カリフォルニア地域への貢献度を示すための客観的かつ公式データの重要性を認識し、2016年度には同レポート作成にスポンサーとして協賛した。

発表にあたっては、WTCLAのPresident、スティーブン・チャン氏、レポートの作成に関わったCalifornia State University, Dominguez Hillsのフィンウィン・プレガー准教授、同じくホゼ・マルティネス准教授がスピーチを行った。

本年のレポートでは、南カリフォルニア(ロサンゼルス、オレンジ、サンバナディーノ、リバーサイド、ベンチュラ、サンディエゴの6郡)における直接投資について調査が行われ、雇用創出数、企業数、賃金などについて国別にデータが報告されると同時に、産業別のデータ、また昨年度のレポートからの変化も紹介。加えて、企業に「南カリフォルニアでのビジネスの満足度」を問う調査を個別に行い、将来の移転候補先、投資先、南カリフォルニアでビジネスを行う際に抱えている諸問題などの調査結果と分析も掲載している。さらに、これらのデータに地理的な分析も加えられ、結果、海外投資によって設立された企業が集中するエリアでは、多くの雇用が生み出され、失業率が低くなる傾向があることが示された。

国別の直接投資で見ると、日本の貢献は際立っており、昨年度に続き、雇用数、企業数、賃金総額全てにおいて1位。雇用数は87,247人で南カリフォルニアにおける海外資本企業が生み出す雇用の19.9%を占める。企業数は2,465社、賃金総額は55億1280万ドル。雇用数では、日本に続き、2位はイギリス、3位はカナダ、4位はフランス、その後はドイツ、スイス、スウェーデン、同じアジアである中国は9位、韓国は13位(7,464人)。

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Top 10 Southern California FOEs by Source Nation

 

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今年度のレポートをベースにした地図では、地図上で企業の分布を閲覧できる。
これは日系企業の分布を示したもの。

南カリフォルニアの長期パートナーとしての日本

日本からの投資についてチャン氏は、「日本は、南カリフォルニアにとって長い歴史を持つ、非常に重要な経済的パートナーであり、これからも大切なパートナー」だと捉えている。また、近年話題になる中国からの投資が不動産、エンターテインメント、ホテル産業に集中している一方で、日本からの投資は、バイオサイエンス、医薬品、製造業など多岐にわたる分野で長期的に地域経済に貢献してきたと話した。さらに今後、日本からの有望な投資先と考えられる産業について問われると、「シリコンビーチが台頭しているIT、航空宇宙、バイオサイエンス、医薬品、電子電気産業」を挙げた。

このFDI Reportを受けて、石川JBA会長は日系企業が同地でビジネスをする意義として、(1) 日本と近いという距離的な利点と長い歴史を持つ日系コミュニティーが存在すること、(2) 優秀な大学があり、優秀な労働力が集まる場所であること、(3) シリコンビーチに代表されるIT産業の新たな拠点であり、既存の産業との融合が期待できること、(4) 巨大な市場の4点を挙げた。また、南カリフォルニアから転出する企業のニュースが続いているが、ここ数年のJBA会員数は横ばいであり、転出する企業がある一方で、新たに日本から進出する企業も多いのではないか、と考察。アメリカ進出のゲートウェイとしての南カリフォルニアの魅力は衰えていないと述べた。今後JBAとしては、WTCやLAEDCと協同しつつ、日系企業の同地における貢献を南カリフォルニアでアピールしていくと同時に、この地で日系企業がこれだけのビジネスおよび雇用を生み出していることを日本にも発信していく。

FDI ReportはLAEDCウェブサイト(http://laedc.org/2017/06/16/fdi-report)にて公開中。またWTCLAウェブサイト(http://www.wtcla.org/foreign-direct-investment)に、同レポートをベースに、国・地域別、産業別に企業クラスターの分布を閲覧・検索できるようにした地図も公開されている。

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Select LAに出席した石川会長と商工部会員一同。

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