JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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樫村 智明さん

Alps Logistics (USA), Inc.
President
樫村智明さん

1960年茨城県生まれ。80年に物流会社に就職。89年のタイへの赴任を皮切りに、台湾、シンガポールに駐在し、98年に帰国。同年にアルプス物流に転職し、中国で計13年間勤務。業務や支店の立ち上げに参画した 。2015年7月、ロサンゼルスに赴任し、現職。

物流で自動車産業を支える 縁の下の力持ち

海外駐在歴は23年
人材育成の大切さに気づく

社会人人生のうち、約7割を日本国外で過ごしてきました。これまでに駐在した国は、タイ、台湾、シンガポール、中国、そしてアメリカ。気づいたら計23年も日本から離れていました。

学生の頃から外国に対して漠然と興味を持っていました。特にきっかけはなく、英語が面白そうだな、と。学校卒業後は物流会社に就職しました。1980年前半の日本はまだまだ輸出大国で、私も国外向けの部品・製品の輸出入の仕事に追われる日々。若いうちに外国へ行きたいと思っていたところ、海外赴任の声がかかったのが29歳の時でした。二つ返事で引き受けたものの、行き先はタイ。「え、どんなところだろう」と、イメージが全然わかず、初めはびっくりしました。

そんな気持ちで入国したタイでしたが、一息つく間もなく多忙になりました。当時は日本企業が数多く進出し始めた過渡期で、メーカーが現地生産を開始したり、商社が工業団地を作ったり。そのため物流のニーズが高まり、多くの日系物流会社がバンコクにディストリビューションセンターを設けました。会社の業務内容は、主に日本からの電子部品の輸入、保管、納入。そして出来上がった製品を引き取って日本に輸出すること。ところが、当時のタイは法制度もインフラ整備もまだまだ。どこの日系企業も困りながら仕事していました。そんな状況だったからか、業者間の情報の連絡・連携が自然と生まれました。競合同士が手を取り合って、切磋琢磨する。そんな空気が良かったですね。

タイに3年駐在した後、台湾に2年、シンガポールに5年駐在し、98年に帰国しました。各国の会社規模は大小ありましたが、日本人の少ない環境で仕事をしていました。そのためか、一緒に働いてくれる人のありがたみに気付き、人を育てる大切さを学びました。この経験は、アルプス物流に転職後、13年間中国各地に駐在したときに生かせたと思います。無錫と上海では事業の立ち上げを、大連では支店の立ち上げを任されましたが、駐在員、現地採用の社員全員が力を合わせて頑張ってくれたおかげで乗り切れました。

 

自動車関連の電子部品を
スピーディーかつ確実に納品

ロサンゼルスには2015年7月に赴任しました。ここでは当社は、主に車載用電子部品を日本や中国、ASEAN諸国などから輸入しています。ロサンゼルス・ロングビーチ港で卸した部品を、トレーラーでテキサス州マッカレンへ、さらに国境を越えて当社のディストリビューションセンターがあるメキシコのレイノサへ配送し、そこからメキシコ国内に工場を構える日系メーカーに届けています。高精度の在庫管理や、迅速な納品を徹底しており、総合的な運用力が当社の強みだと自負しています。北米は現在、自動車産業が好調。渡米から半年が経った今、 さらなる事業拡大を考えています。

欧米駐在は初めてですが、ロサンゼルスの生活を楽しんでいます 。海外赴任以降、風景の写真撮影が趣味になりましたが、ここでもカメラを常に持ち歩いています。いつも快晴で湿度が低い気候も、習慣になったジョギングにおあつらえ向き。唯一の悩みは、家の中にアリが出ること。タイでは、ヤモリが文字通り家を守ってくれましたが、今は自分でシリコンを買ってアリの通り道となる隙間に埋めたりと悪戦苦闘中。アリはオレンジの匂いが嫌いと聞いたので、今はミカンの皮で試しています。

学生時代に始めて、計12年励んでいる剣道。「体調を整え、ロサンゼルスでも再開できたらと思っています」。

学生時代に始めて、計12年励んでいる剣道。「体調を整え、ロサンゼルスでも再開できたらと思っています」。

=Company Info=

Alps Logistics (USA), Inc.◎電子部品の運送・保管・フォワーディング等を一貫して提供する、株式会社アルプス物流の北米拠点として2002年に設立。06年にメキシコ・レイノサに、07年にテキサス州に、14年にメキシコ・中央高原に支店を開設。北米ネットワークの強化を図っている。

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