2015/7/18
去る7月18日、Tustin Ranch Golf Clubで第22回JBA Foundation Charity Golf Tournamentが開催された。140名以上のプレーヤーが参加した今年は、同イベント始まって以来のハプニングに見舞われるなど、思い出深い大会となった。なお、収益金は全てJBA教育文化活動の運営資金に充てられる。
午前8時。昼過ぎから雷雨が予想された通り、空一面に雲が広がる不安定な空模様だった。会場には、同イベントの実行委員である教育文化部会員とそれを全面的にサポートするボランティアらが集合。尼崎実行委員長の号令で最終打ち合わせを行っていた。スタッフの紹介や各種注意事項、進行確認など打ち合わせは30分ほどで終了し、全員が自分の持ち場に戻って準備を再開。依然天候に不安はあるものの、あとは参加者らの到着を待つのみとなった。
午前9時30分。プレーヤーらが集まり始めた。今年も「打ち直し券」や「オール6インチ券」、「ワンクラブリプレース券」、「手投げ券」とユニークなチケットが用意された。受付では、これらをまとめたパッケージ券(100ドル分)を60ドルで販売。これらもチャリティーになるため、ほとんどの参加者らが購入していた。これとは別に今年は「パッティング・コンテスト券」を1枚5ドルで販売。特設グリーンでパットを決めたら賞金がもらえるという余興だが、大勢が購入し本番前にかなり盛り上がっていた。このコンテストで見事パットを決めたのは、Globizz corp.の春山さん、Yakult U.S.A. Inc.の清水さん、JBS USA Inc.の安西さんの3人だった。
午前11時30分。プレーヤー全員が集まったタイミングで集合写真を撮影。尼崎実行委員長から最終説明が行われた後、プレーヤーたちは意気揚々とカートに乗り込み、所定の開始ホールに向かった。そして午後12時、ショットガンスタートとなった。
イベントを盛り上げるために、今年も「ロングドラコン賞」や「ストレートドラコン賞」、「ニアピン賞」、「ホールインワン賞」などが用意された。中でも毎年注目のホールインワン賞では、American Honda Motor Co., Inc.、Mazda North American Operations、Yamaha Motor Corporation, U.S.A.の3社がクルマとバイクを提供。誰もが真剣にホールインワンを狙っていたが、この時すでに風雨が強まりつつあったため飛距離が出にくく、例年になく難易度の高いチャレンジとなった。
午後1時。本格的に雨が降り出した。実行委員らも口々に「大丈夫かなぁ」と不安を漏らし始めた。尼崎実行委員長も心配を隠せない様子。ゴルフ場のスタッフらと協議するなどして最悪の事態を想定しながら様子を見守っていた。
ついに雷が鳴った。ゴルフ場での雷はもっとも危険だ。雨脚も強さを増したため、午後3時に中止を決定。ゴルフコース全域に中止が通達され、プレーヤーたちは一斉にクラブハウスに退避してきた。
中止決定後の委員会メンバーはおおわらわ。本来なら午後6時から始まるはずのアワードディナーを4時に繰り上げたためレストランやバーと交渉。アワードの準備を前倒しに行い、プログラムを変更するなどすべきことは山ほどあった。また、スコアによる賞の授与ができなくなったため、尼崎実行委員長を中心に全員で緊急会議。その結果、プレーヤー全員に1枚ずつラッフルチケットを配布し、抽選で賞を提供することになった。
午後4時。阿川さんの司会でディナーがスタートした。ゴルフトーナメントは中止となったが、プレーヤーの表情はすがすがしくアワードディナーを待ちわびていた様子だった。
まずは、JBA Foundation会長の海部さんが舞台に上がり挨拶。同イベントの収益金が同Foundationの教育プログラム全ての資金源になっていることを紹介し、プレーヤーらに謝辞を述べた。そして、「皆様のゴルフの上達と、来年は晴れることを祈念して」と冗談を交えながら乾杯の音頭をとった。
しばらく食事をしながら談笑した後、JBA Foundation主催のプログラム、「USEJ」(U.S. Educators to Japan)で今年訪日したアメリカ人教師のロリ・ナガオカ先生(Hickory Elementary School)とイレイン・モンジ先生(Alderwood Elementary School)が舞台に上がり、スライドを使って訪日中の活動を報告。日本で非常に貴重な体験をしたことを紹介し、USEJプログラムを主催してくれたJBA Foundationとそれを支えるチャリティーゴルフ参加者らに謝辞を述べた。
その後、急遽行われたスコア別アワードラッフルでは、近鉄インターナショナルの栗原さんが1等賞を獲得。800ドル相当のドライバーを手に、思いがけない幸運に大喜びだった。
次にオークションが行われ、各種玩具や書籍、シアトルマリナーズ所属の岩隈投手の直筆サイン入り帽子などが競り落とされた。注目は日本航空提供の東京=LAXのビジネスクラス搭乗券。それを3000ドルで競り落として場内を沸かせたのは、先のラッフルで1等賞を獲得した栗原さんだった。
最後は予定通りラッフル抽選会を開催。スポンサー企業から提供された豪華な賞品に当たったプレーヤーらは大興奮。中でも毎年目玉となっている東京=LAX間の往復航空券では、ANA、日本航空、デルタ航空、ユナイテッド航空の4社から提供があった。それぞれの当選者番号が読み上げられるたびに、はずれた人たちの大きなため息をかき消す当選者の歓喜の大声が会場に響き渡った。今年幸運をつかんだ当選者はJBS USA Inc.の安西さん、EOS Accountants LLPの森下さん、Pioneer North America, Inc.の石塚さん、Fujitsu Glovia. Inc.の柚木さんの4人だった。
全てのプログラムが終了し、前田教育文化部会長が「今年は11万8745ドル集まりました」と収益金額を発表。場内からは大きな拍手が起こった。最後に三宅JBA会長が壇上に立ち挨拶。「残念ながらゴルフは中止となりましたが、目標金額は集まりました。このお金を大切に使い、日米関係強化のために役立てます。そして、想定外のハプニングに対応しイベントを円滑に進行してくれた委員会メンバー、ボランティアの皆様に心からお礼申し上げます」と述べた。最後は同会長の音頭で一本締めが行われ、2015年度チャリティーゴルフトーナメントが全て終了した。
早朝から集まり、イベントの準備に余念がない実行委員とボランティア |
午前9 時30 分には続々と参加者が受付を始めました |
トーナメント直前に最終説明をする尼崎実行委員長 |
カートに乗り込み、指定のコースに一斉に出発 |
今年から始まった「パッティング・コンテスト」は大盛り上がりでした |
ナイスショット!真剣そのものです |
女性だって負けていられませんよ! |
緊張が走るグリーン。 狙いを定めてボールをたたきます |
開会の挨拶をする海部JBA Foundation会長 |
訪日体験を紹介したアメリカ人教師2人 |
海部さんの音頭で乾杯! |
ディナーを大いに盛り上げた司会の阿川さん(右) |
デルタ航空の航空券が当たったPioneer North America, Inc.の石塚さん(左) |
ユナイテッド航空の航空券が当たったFujitsu Glovia. Inc.の柚木さん(右) |
スコア別アワードラッフルで1等賞を獲得した栗原さん |
ANAの航空券が当たったJBS USA Inc.の安西さん(左) |
日本航空の航空券が当たったEOS Accountants LLP の森下さん(右) |
オークションではドキドキしながら値を上げます! |
最後は一本締めで終了 |
ボランティアの方々。本当にお疲れさまでした |