2014/5/7
今年も敬老ナーシングホーム母の日慰問コンサートに参加した。大勢のおじいちゃんやおばちゃんたちが車椅子で集まっている。しっかり笑顔で歌おうと思う。
あまたの人生を乗り越えてこられて来たおじいちゃんやおばあちゃん。歌に合わせて手拍子しながら喜んでいる。まだまだ元気だ。車いすで心やすらかにお休みされてるおじいちゃん。呼びかけても反応がないおばちゃん。目を閉じて天国を瞑想中のおじいちゃん。そして、僕のことをジーッと見つめるおばちゃん。
ついつい手を握ったり、肩にそっと手をかける。「ニコッ」と反応してくれる。ヤッター!と思う。素振りのないおばあちゃんでも、そばで歌ってあげると我に返ったように口を動かし始める。一緒に歌おうという意欲が見える。みんな歌が好きなんだよね、おじいちゃん!おばあちゃん!
車椅子で眠ったままで反応のみられないおばあちゃんでも、実は本人の潜在的な意識はしっかり活動しているらしい。反応したくても反応することが難しいだけとのこと。確かにじっくり見ていると私たちの歌に合わせて、口を開こうとしたり、首を少し動かしたり、手が動いたり、何か反応しようとしていることが判ることがある。特に、昔の懐かしい思いでの歌には、こうした力がある。
私たち日本人が、この南カリフォルニアで安全に平和に暮らしていけるのは、ここにおられるおじいちゃんやおばあちゃんの想像を超える涙ぐましい努力や苦労があったからこそであろうと思う。だから、「一緒に歌えてありがとうございます!」と言う感謝の心になる。この心をこれから当地に来る若い世代に伝えるのが、我等の役割でもあろうと思う。そして感謝と謙虚な気持ちが敬老につながるとも思う。そう思っていると、おじいちゃんやおばっちゃんの前でみんなが微笑んでいる。自分でも幸福を感じる。おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう!
5月7日(水曜日)朝9時。JBA地域貢献活動として、今年もLA メンズグリークラブの男声合唱団のお兄さんたち?と一緒に、総勢17名で毎年恒例の「サウスベイ敬老ナーシングホーム母の日慰問コンサート」に参加。母の日のカーネイションも贈ることができた。パテオでは番外編で40分も余分に皆で童謡や懐メロを歌い、とても楽しい一時だった。「来年もまた来ます」と皆で約束してきた。「おじいちゃん、おばあちゃん、来年もまた会おうね!それまで元気でねー!」
文: Honyaku USA Inc. 土田三郎
コンサートで歌った曲
「赤とんぼ、七つの子、夕焼け小焼け、花、かあさんの歌、夏は来ぬ、ふるさと」
「花は咲く、荒城の月、はるかな友に、いざたて戦人よ」