JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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2018/6/20

商工部会 2018年度サクラメント訪問報告

去る6月20、21 日、JBA は北加日本商工会議所と共同で、毎年恒例のサクラメント訪問を実施した。今回もDMVやカリフォルニア州経済促進知事室との会談、カリフォルニア州上院議会訪問など、非常に成果の多い訪問となった。

JBAおよびJCCNCメンバーの集合写真
カリフォルニア州上院議事堂内にて、JBAおよびJCCNCメンバーの集合写真

 

今回の訪問日程

■ 6月20日(水)  
・ Al Muratsuchi下院議員との会談  
・ カリフォルニア商工会議所  
(Cal Chamber)との昼食懇談会  
・ カリフォルニア州陸運局(DMV)との会談  
・ カリフォルニア州経済促進知事室  
(Go-Biz)との会談とレセプション  

■ 6月21日(木)  
・ カリフォルニア州上院議会訪問 
・ Kevin De Leon上院議員との会談 
・ Scott D. Wiener上院議員との挨拶 
・ カリフォルニア州災害対策知事室 
(Cal OES)との会談〉

JBAは、北加日本商工会議所(JCCNC)と共同で毎年カリフォルニア州都サクラメントを訪問しており、今年も6月20日、21日両日に訪問を実施した。同訪問は、州政府や関係団体との関係維持・強化を図る目的で20年以上毎年行っており、今年もJBA会員からいただいたアンケート回答を基に、トランプ政権移行後の州政策の変化、労働賃金を含めた企業コスト、州政府からの助成金、自動運転や環境規制、インフラ整備、テロや災害対策等に対する州政府の取り組みといったトピックを取り上げ、意見交換、質疑応答を行った。また、カリフォルニア州上院議会で訪問団が紹介を受けたほか、サウスベイ地域を地元とする唯一の日系人議員Al Muratsuchi氏との意見交換やGo-Biz(カリフォルニア経済促進知事室)との夜のレセプションでの交流等を通じて、州に対する日系企業の貢献度をアピールした。

  

唯一の日系人加州議会議員 Al Muratsuchi下院議員との会談

サクラメント訪問
Al Muratsuchi 下院議員(左から3人目)と大川JBA 会長をはじめとするJBAメンバーで記念撮影

 

Al Muratsuchi下院議員は日本人が多く住むトーランス、パロスバーデス、ガーデナなどを含む第66下院選挙地区から選出された、唯一の日系人カリフォルニア州議会議員である。この会談で、「日系企業のカリフォルニア州への投資規模、雇用人数、そして平均賃金は同州に進出している他のどの国よりも上回っている」という旨を、LAEDC(ロサンゼルス郡経済開発公社)によって作成されたFDIレポートから説明した。また、「日系企業が海外への投資先としてGDP世界5位となるカリフォルニア州を好んでいる」という説明もした。その反面、同州における規制や雇用法など、日系企業が直面する問題についても話した。Muratsuchi氏からは「環境規制などは確かに厳しいが、カリフォルニア州はクリーンエネルギーや気候変動緩和の分野でリーダーシップを取る州となることを目指している」との説明があった。さらに、同氏から「カリフォルニア州に進出するメリットとして、ハイテクや研究開発に携わるビジネスにとっては他州よりも高レベルのエンジニアやプログラマーが多く、そのような人材を他州で獲得することは困難である」という話も受けた。また、その反面、「シリコンバレーやシリコンビーチで、賃金の上昇から手頃な価格の住宅が消えるという危機が発生しており、州全体として今後の大きな課題として捉えている」という話もいただいた。 
会談の途中、Anthony Rendon下院議長が参加し、「カリフォルニア州議会としては、カリフォルニア州と連邦政府では貿易や国際関係に関する方針が異なるということを強調したい」と話された。また、カリフォルニア州下院議員の代表団による日本訪問の計画についても触れられた。

  

カリフォルニア商工会議所との昼食懇談会

カリフォルニア商工会議所(Cal Chamber)の幹部と昼食懇談会を実施し、カリフォルニアの経済・産業動向およびカリフォルニア州の環境や雇用に関する規制について活発な意見交換を実施した。CEOのAllan Zaremberg氏からは、「カリフォルニア州には厳しい規制もあるが、人材確保や地理的な面で日系企業へのメリットは多いので、カリフォルニア商工会議所や他の専門家からアドバイスを受けながら、カリフォルニア州での事業が成功することを願っている」という話をいただいた。

  

カリフォルニア陸運局との会談で「Real ID」の説明などを受ける

DMVとの会談
DMVとの会談。左から Bill Davidson 氏(Chief DeputyDirector)、Jean Shiomoto 氏(Director)、Coleen Solomon 氏(Branch Chief – Licensing Branch)

 

Jean Shiomoto長官を含むカリフォルニア陸運局(DMV)幹部4名との会談では、運転免許発行に関してJBA会員から寄せられる多くの問い合わせに対し、個別対応していただいていることへ感謝の言葉を伝えた。また、免許発行までの期間短縮化の依頼に対しては 「外国人の免許証交付は、DMVでの申請受付後に国土安全保障省で審査があることが、交付までに時間がかかる一因である」との説明をいただいたほか、免許の有効期限に関しては、「申請費は5年間をベースにしている」「『I-94』やビザの期限との調整がある」などの説明があった。さらに、「自動運転に関しては法整備に向けて公聴会を開始するなど、本格的なプロセスがスタートしている」とのコメントもあったほか、2020年から連邦政府によって使用が義務付けられる「Real ID」の説明もあった。DMVは今年の1月から「Real ID」の申請を受け付けており、早めの申請を促された。

  

カリフォルニア州経済促進知事室との会談とレセプション

Go-Bizとの会談風景
Go-Bizとの会談風景

 

カリフォルニア州経済促進知事室(Go-Biz:Governor’s Office of Business and Economics Development)」は、カリフォルニア州の経済促進と雇用創出のための州知事特命機関。今回の会談では、JBAの会員企業向けアンケートを基に事前送付したトピックスに対する州政府の見解を確認した。同知事室には、日本企業のカリフォルニア州経済・雇用への貢献を高く評価いただいたのと同時に、「労働規制や州政府による許認可事項、新規雇用に伴う税控除プログラムについて、質問や相談があれば無料でアドバイス提供や説明会開催を行うので、遠慮なく呼びかけてほしい」とのコメントをいただいた(特に許認可関係については、Go-BizとしてCountyやCityと連携したワンストップサービスを提供しているので、ぜひ活用してほしいとのこと)。加えて、「最低賃金の上昇、高額な家賃・生活費などが一因でカリフォルニア州外に移転する企業もあるが、一方でGo-Bizが同州への進出支援をした企業も多くある。税控除プログラムの他、各種インセンティブプログラムがあるので、ぜひ活用してほしい。Go-Bizでは、立地選定、許認可取得、各自治体への取り次ぎなどのサポートを、新規企業だけでなく既存企業にも行っている」という旨も話された。

  

カリフォルニア州上院議会で上院議員より紹介を受ける

カリフォルニア州上院議会
カリフォルニア州上院議会にて、Hannah-Beth Jackson上院議員による紹介を受けた後の集合写真

 

6月21日、JBA、 北加日本商工会議所は、開催中のカリフォルニア州上院議会を訪問した。Hannah-Beth Jackson上院議員から出席した上院議員全員に対して、我々訪問団を一人一人紹介していただくという栄誉を受けた。同時に、「日本はカリフォルニア州に対する最大の投資国であり、日本企業が州内で大きな雇用を創出していることに感謝すると共に、そうした関係を今後も一層強化していきたい」とのメッセージをいただいた。また、議長席の横には日本の国旗が用意されていた。

  

Kevin De Leon上院議員と公共交通機関や環境問題について会談

Kevin De Leon上院議員は、リトルトーキョーを含む第24上院選挙地区から選出されたカリフォルニア上院議員であり、今年の3月までは上院の最有力者である仮議長を務めていた。また、現在は連邦上院議員の候補でもある。同氏は過去に日本を訪問した経験もあり、訪問時の話からとても日本に対して好意を持っていると感じた。また、日本の公共交通機関からカリフォルニア州が学べることが多くある一方、クリーンエナジーや環境保護についてカリフォルニア州から日本が学べることもあるのではないかと話した。上院議員の代表団による日本訪問をぜひ実現したいとも話した。

  

災害やテロ発生時の対応を行うカリフォルニア災害対策知事室との会談

カリフォルニア災害対策知事室(Cal OES)は、災害やテロなどが発生した際に対応を行う、あらゆる州や連邦政府機関の中核となる機関である。現在は特に、地震やサイバー攻撃、テロ行為などが生じた場合の対策制度に力を入れている。彼らからは、「携帯電話の普及により固定電話の数が減っているが、災害時には固定電話の方が携帯電話よりも信頼性が高いため、固定電話は持っていた方が良い」などの話があった。

  

JBAは今回のサクラメント訪問における成果も踏まえた上で、JBA会員企業がさらに有意義な情報を収集できたり、メリットを享受できたりするよう、引き続き取り組んでいく。

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