JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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2021/12/1

教育文化部会主催 ウェビナー報告「アメリカ生活を過ごした方の 体験談パネルディスカッション」

 去る11月6日、アメリカ生活を経験し、現在はバイリンガルの社会人となった3名による体験談パネルディスカッションをオンラインで開催した。事前に参加者から寄せられた質問に対して、各パネリストが経験を基に答える形で進行した。

日英両方の言語を学ぶことで広がる将来の選択肢

 冒頭、教育文化部会の林部会長が「当部会の主な活動は教育文化支援活動であり、具体的に言えば、会員子女のアメリカにおける教育を支援することです。今回のパネリストの皆さんにはその主旨に賛同いただき、感謝申し上げます。それぞれの方がアメリカで学生生活を過ごした時期や地域が異なることから、いろいろな視点でのお話が聞けることを期待しています」と挨拶した。

 最初の質問は「学校で大変だった時、辛かった時、家族の支援で助かったこと」。それに対してアメリカで生まれ育った渡辺真由さん(以下、真由さん)は「両親はあまり英語が得意でなかったこともあり、私には4歳から家庭教師をつけてくれました。親とは日本語で、そして、きれいな英語の発音を身に付けるために家庭教師と英語で話しました。また、学校に母がボランティアで来てくれていたことが子ども心にうれしかったです」と答えた。

 コネチカット州の日本人学校に通っていた松尾英樹さんは「友人の家、またスポーツの練習や試合への送り迎えをずっと親がやってくれたことに感謝しています」と回答。アメリカで生まれながら、日本に帰国し、再び中学生で渡米した渡辺麻里さん(以下、麻里さん)は、「中2でアメリカに引っ越してきた時に、英語は以前いた小学校1年の段階で止まっていたので、英語の勉強が大変でした。そんな時に父が『力を抜いてもいいんだよ』と声をかけてくれたことに救われました。また、テニスの試合に両親がいつも応援に来てくれたので心強く感じました」と、3人とも当時の親のサポートへの感謝を述べた。

 「友達の作り方」については、「スポーツを通じて友人を作ることが多かったです。スポーツをやっていれば最悪英語ができなくても友達はできます」(松尾さん)、「地元のテニスクラブに入ってテニス友達を増やしました。アメリカ人だけでなく世界中にルーツを持つ人と、自然と友達の輪が広がりました」(麻里さん)と、スポーツが大きな役目を果たしたと話した。

 「日本語の学習」については、あさひ学園の高等部を卒業した真由さんが「家の中では絶対に日本語というルールがあり、英語を話したら親に叱られていました。日本語習得のモチベーションは、日本に行った時に祖父母と日本語で話せること、また日本のテレビ番組を楽しめることでした。日本とアメリカの両方の文化を楽しめるようになって良かったです」と回答した。

 また、「現地校や英語の学習」について、4歳から家庭教師が付いていた真由さん同様、麻里さんも家庭教師に教わったことが役立ったと次のように話した。「『The New York Times』の記事を読んで、短時間で要約するという練習を重ねました。分からない単語についてはカードを作って覚えていました」。

自己主張のアメリカ平均的に知識量が多い日本

 「将来に向けてやっておくべきこと」について、松尾さんは日本語の本をたくさん読んだことが良かったと答えた。「日本語そのものの勉強にもなりますし、活字を読んで情報を得るということを苦もなくできるようになりました。英語だけでなく日本語もしっかり身に付けておくことで可能性が広がってきます」。

 続いて、「日米の違い」という質問に対して、真由さんは「アメリカでは自分の意見を主張します。一方で補習校では授業中に自分の意見を言う生徒はほとんどいませんでした」と振り返り、松尾さんは「日本では最低限の知識を詰め込む教育を行うので、知識の量は平均的に日本の方が多くなりますが、アメリカの教育では自己肯定感、プレゼンテーション、コミュニケーションスキルの水準が高くなるように思います」と答えた。

 さらに、「日本人で良かったこと」を聞かれると、松尾さんは「日本は世界有数の平和な国であり、そういう国が故郷であることに安心感を覚えます」、麻里さんは「日本文化の繊細さを実感した時や、また食文化や四季を大切にする価値観、人への細かい気遣い、年上の人を敬う文化に触れた時、日本人で良かったと心から思います」と回答した。

 最後に、「英語と日本語の両立は難しいと思いますが、それを成し遂げることで就職先の選択肢も広がります。諦めずに両立を頑張ってほしいと思います」(真由さん)、「異国の地で頑張る子どもを支えることに親御さんは苦労されていると思います。子ども自身が小さいと親の苦労にまで頭は回りませんが、きっと大きくなった時に親に感謝するはずです」(松尾さん)、「これからも受験や就職で大変なことが続きますが、日本人で良かった、アメリカで生活して良かったと思えるように時を重ねていってもらいたいです」(麻里さん)と、それぞれが保護者や子どもたちにメッセージを送り、90分に及んだパネルディスカッションを締め括った。

コロナ禍から学ぶ危機対応としてのコミュニケーション及び事業継続戦略ウェビナー渡辺真由さん:生まれ育ちはロサンゼルス。あさひ学園高等部、UCLA卒業。Sony Interactive Entertainment/PlayStation勤務。(写真下段の左)/
松尾英樹さん:小4~中2をコネチカット州の全日米日本人学校で過ごした。東京大学卒業。東京海上日動火災保険株式会社勤務でロサンゼルス駐在。(写真中段の左)/
渡辺麻里さん:ヒューストン出身、6歳まで米国、小1~中学まで日本。その後渡米しWellesley College卒業。シリコンバレーのIT企業Workdayに勤務。(写真中段の右)

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